OJTトレーナーと本音で話せず「退職を検討した」新人は7割超に。早期退職を防ぐ信頼関係構築の方法とは

EDGE株式会社(以下、EDGE)は2022年2月28日、企業におけるOJTの実態を探るべく実施した、「新人の意識調査」の結果を発表した。調査期間は2022年1月21日~26日で、現在の勤務先に新卒で入社をしている18~27歳の正社員100名から回答を得た。この調査により、「OJTトレーナー」と「新人」の関係性構築の重要性が明らかになった。

オンラインによる採用や研修の増加により、新人の早期退職が課題に

新型コロナウイルス感染症の流行により、採用活動や入社後のフォローは、オンラインが中心となっている企業も多いだろう。EDGEによると、「オンライン採用などへの切り替えに伴い、新人が入社後にギャップを感じ、早期退職を検討する率が増加していることが課題となっている」という。

同社の顧客からは「コロナ禍であっても、同期の結束を強める目的で、配属前の研修を対面に戻した」などの声もあり、対面でのコミュニケーションの重要性を感じている企業もあるようだ。

「OJTトレーナーとの関係性」が新人の早期退職防止のポイントか

まず同社は、「入社後1年以内での退職検討の有無」と、「上司や指導係の先輩社員と、気を遣わずに本音で相談できるか」を関連付けて調査している。

その結果、「本音で相談できていない」と回答した人の「入社1年以内の退職検討率」は76%で、「本音で相談できている」人の58%を18ポイント上回る結果となった。OJTトレーナーとの関係性を構築できるか否かが、新入社員の早期退職の意識に関係していることがうかがえる。
OJTトレーナーと本音で話せず「退職を検討した」新人は7割超に。早期退職を防ぐ信頼関係構築の方法とは

新人との信頼関係構築のカギは「相手の話を聴くこと」

続いて同社は、新入社員に対し「信頼関係が構築できると思う上司・指導係の振る舞い」を質問している。それによると「自身の話を聞いてくれる」、「自身の話が終わるのを待ってから発言する」、「押し受けがましい指導をしない」が上位の回答となった。

ほかにも「自身の価値観や考え方を理解しようとしてくれる」といった項目にも回答が集まった。このことから、上司や指導係には「新人に寄り添い、フォローを行うこと」が求められていることがうかがえる。
OJTトレーナーと本音で話せず「退職を検討した」新人は7割超に。早期退職を防ぐ信頼関係構築の方法とは
新入社員の入社後のOJTで「指導係になる上司や先輩社員」は、新人の早期退職を防ぐキーパーソンであり、その役割は大きいと考えられる。OJTトレーナーに対する研修や学びの機会を作り、トレーナーに対してのフォロー体制を整えることも重要だろう。