株式会社客家(以下、客家)は2022年2月18日、「会議の質」に関する実態調査の結果を発表した。調査期間は2022年1月25日~27日で、ベンチャー企業経営者316名から回答を得た。これにより、企業における「会議の質」と「生産性」との関連性が明らかとなった。
4割以上が「コロナ禍における会議数の減少」を実感している
新型コロナウイルス感染症の感染拡大下において、企業の「会議」はどのように変化しているのだろうか。はじめに客家は、「コロナ禍における会議数の変化」について尋ねている。その結果、20.5%の経営者が「かなり減った」、22.5%が「やや減った」と回答した。「会議が減った」との回答は合わせて43%となり、「変わらない」と回答した39.6%を上回る結果となった。
「会議の質の低下」を実感する経営者は約2割に
「コロナ禍における会議の質の変化」について尋ねた質問では、「変わらない」との回答が53.8%と最も多くなった。一方で、「会議の質はかなり低下した」が3.3%、「やや低下した」が15.5%となり、約2割の企業において、コロナ禍前よりも会議の質の低下を実感していることがわかった。「会議の質の低下」の要因は「コミュニケーション不足」や「エンゲージメント低下」など
続いて、「会議の質が低下した」との回答者を対象に、「質が低下する要因として考えられるもの」について複数回答で尋ねたところ、約半数にあたる49.2%が「会議前のちょっとした口頭の打ち合わせができない」と回答した。次いで、「オンラインによる発言の躊躇」が47.5%で続いた。さらに、「報告・連絡事項のみの会議となっている」が33.9%、「コロナ禍で社員のエンゲージメントが低下」が30.5%となった。
自由回答では「複数の意見が飛び交いづらい」、「心理的距離を感じる」などの声が挙がっており、会議数の減少による「コミュニケーション不足」や、「これまでとは異なる会議の開催方法への戸惑い」が、会議の質の低下を招くことが推測できる結果となった。
半数以上の経営者が「生産性」や「売上」の低下を実感
また、同社は「会議の質が低下した」とした回答者に、「会議の質が低下した結果、どのような影響が生じたか」を複数回答で尋ねている。すると、50.8%が「生産性の低下」、27.1%が「売上の低下」と回答。会議の質の低下は、「生産性」や「売上」に関わる重要な課題であることがうかがえる結果となった。「オンライン会議ツールの導入」や「会議ゴールの共有」等の実施が「会議の質向上」のカギか
最後に、同社は「会議の質が向上した」と回答した企業に対して、「その要因」を尋ねている。その結果、58.3%が「オンライン会議ツールの導入」、38.9%が「会議のゴールの共有」、36.1%が「事前にチャットで資料を共有」と回答した。会議の円滑な進行のために、適切なツール活用するなど、さまざまな工夫を行っている企業が「会議の質の向上」を実現しているようだ。
コロナ禍で会議の回数自体が減少しているほか、「円滑なコミュニケーションの不足」などの要因により、「会議の質の低下」を実感している経営者が一定数いることがうかがえる。また、会議の質の低下によって「生産性」や「売上」に影響しているという企業も少なくないようだ。オンラインツールの活用など、円滑な会議運営が可能となる工夫を行うことで、生産性や売上の低下を防止したい。