パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は2022年3月11日、同年4月以降の事業会社制(ホールディングス制)移行に向け、「2023年度採用計画」を策定したと発表した。また、各事業会社の競争力強化に向けて、「社員それぞれの自立的なキャリア形成」および「最適な人材確保」を目的として、初期配属の職種を確約する新たな採用体系の導入を決定したという。
同社は、「企業は社会の公器である」との考え方を基本方針とし、短期的な経営状況で判断することなく、「事業の創出」と「成長の源泉」、及び「組織活力の維持」を担う人材の安定的な確保を継続させていく考えだ。
「2023年度新卒採用計画」として、2022年度と同水準の人材確保を予定
パナソニックは、2022年4月に迫る事業会社制への体制移行を踏まえ、2023年度におけるグループ全体での新卒採用計画を発表した。これによると、2023年度の採用枠は、大学生および大学院生の採用枠が800名、高専生および高校生の採用枠が300名の、合計1,100名となる予定だという。いずれも、2022年度の採用枠と同様の水準で人材確保を進める意向だ。新たな採用体系として「事業会社毎の選考実施」と「初期配属の職種を確約」へ
同社は、「体制移行による各事業会社の競争力強化」を見据えて、事業会社ごとの選考を新たに導入する。各事業で必要とされる“強み”や“個性”を有する人材の確保を目指すことを目的としており、全ての職種について、内定時に初期配属を確約する。求職者の初期キャリアを約束することで、「自立したキャリア形成」を促す狙いがあるという。新たな採用体系への移行に伴い、選考コースや職種とのミスマッチを防ぐため、採用サイトにて各事業会社の募集職種毎に、具体的な仕事の内容や求められる要件を公開している。
同社では、2021年度採用より通年採用を本格化させている。2023年度以降の採用でも通年採用を継続し、学問・研究面への配慮やさまざまなキャリアの選択肢を設けていくという。
同社は今後も、「ものをつくる前に、人をつくる」という考え方のもと、年次にかかわらず、学生一人ひとりが適したタイミングで将来を見つめられるよう、「社会人との関わりを通じた成長や可能性を広げるきっかけづくり」に注力していく考えだ。この中では、従来から実施してきた大学との共同研究やインターンシップのほか、新たにキャンパス内でのインターンシップや授業などの産学連携活動を実施し、人材育成に取り組む意向を示している。
不確実性の高いVUCAの時代において、ビジネスパーソンには、「会社に依存せず、自立・自律したキャリアを構築すること」が求められるようになっている。個々が思い描くキャリアを構築する力をつけることが、「企業の競争力強化」という意味でも重要になるだろう。