健康管理システムの開発・運営を行う株式会社iCARE(以下、iCARE)は2022年2月8日、働く人の健康をつくるための人事制度である「ファイブリングス・チャレンジ」を、同年2月1日より開始したと発表した。本制度により、チームの成長と成果を最も高めるために、それぞれの社員が就業時間のうち週2時間を使って各自取り組みを実施することが可能になるという。
「働きがい」や「生きがい」など、5つの枠組みから主体的に課題やアイデアを立案し、チームで実践
2011年の創業時より、iCAREでは「経営戦略に基づいた従業員の健康管理」を提唱するとともに、企業の健康管理支援を実施してきたという。社会全体では、“健康経営”や“ウェルビーイング経営”に対する意識の高まりにより、従業員への健康投資に着手する企業が年々増加している。このような中、近年の健康経営に対する考え方には、従来からの“健康創り”の概念である「充実した健康診断」や「メンタルヘルス対策」のみにとどまらず、チームとしての生産性や事業成長を見据えた「職場環境・制度」の視点が含まれるようになってきたと同社は考えている。これらの状況を踏まえて同社は、企業が社員に対して一律に実施する「押し付けの健康づくり」ではなく、「持続的な事業成長」を目標に据えてチームの成長と成果を高める健康づくりとして「ファイブリングス・チャレンジ」を開始した。
同取り組みは、社員それぞれが就業時間のうち一部を使って取り組める、新たな人事制度だ。社員が主体的に「働く人の健康づくり」のための企画を立案し、実践していくもので、以下の方針・ルールにのっとって行うという。
●Carelyファイブリングスに規定された5つのリング(「安全と衛生」、「健康増進」、「働きやすさ」、「働きがい」、「生きがい」)から、部署やチーム単位で課題となっているものまたは実現したいものを選択(複数選択可能)
●チーム単位で取り組み、就業時間中の週2時間を使って企画立案(期間は自由設定)
●毎週のチームミーティング時に、成果に対するウィンセッションを実施
●人事制度として実施するが、内容によって社員が不公平な扱いを受けることはない
同社人事部長の高畠信一郎氏は、「社風や価値観を創るのは社員一人ひとりであり、自ら考え体現することは自分たちの会社や部署、そしてチームを強くすること・良くすることに繋がる」として、今回の新制度への取り組みについて、「問題解決能力の向上、コミュニケーション、思い切った自由な発想で闊達な意見交換など、社内で大きな化学反応や行動変化が生まれることを期待している」との考えを示した。
労働者不足が深刻化する今後の日本において、社員の健康を守る取り組みは、「やったほうがよいこと」から「やらなければならないこと」へと、変化してきている。従来からの取り組みにとどまらず、「働きがいや生きがいが社員の健康増進につながる」という視点を持って制度設計を行うことが、より求められていきそうだ。
労働者不足が深刻化する今後の日本において、社員の健康を守る取り組みは、「やったほうがよいこと」から「やらなければならないこと」へと、変化してきている。従来からの取り組みにとどまらず、「働きがいや生きがいが社員の健康増進につながる」という視点を持って制度設計を行うことが、より求められていきそうだ。