コロナ禍の新入社員がモチベーションを保つために必要なことは?「振り返り習慣」が成長実感を左右

株式会社シェイクは2021年12月2日、コロナ禍に入社した新入社員に焦点を当てた調査の結果を発表した。調査は、21年卒社員を対象に、入社から半年経過時の2021年9月13日~10月6日に実施されたものだという(回答数:614件)。これにより、「コロナ禍における新入社員のモチベーション」や「企業側に求められるサポート」の実態が明らかとなった。

「週3~4回」の出社頻度が最もモチベーションが高いという結果に

新型コロナウイルス感染症の影響により、働き方が変化している。その状況下で入社した新入社員の意識には、どのような特徴があるのだろうか。

同社はまず、「現在の仕事に対するモチベーション」について尋ねている。すると、「どちらかというと高い」、「高い」、「かなり高い」と回答した新入社員が、全体の92%を占めた。

この結果を「出社頻度別」にまとめると、全ての出社頻度において同様の傾向がうかがえたが、内訳は異なっている。「週3~4回程度」以上の出社では、「かなり高い」層が10%を超えたのに対し、「月1~2回程度」以下の出社では、「かなり高い」が10%以下と、出社頻度がモチベーションに影響を与える可能性が示された。
コロナ禍の新入社員がモチベーションを保つために必要なことは?「振り返り習慣」が成長実感を左右

「仕事の量・内容・難易度」にギャップを感じる傾向

続いて、同社は「配属後、仕事や職場環境に対して配属前の想像とのギャップを感じたこと」について尋ねている。その結果、上位3つは、「想像していたよりも、仕事量が多い」(143名)、「想像していたよりも、仕事の難易度が高い」(118名)、「仕事内容が想像していたものと違った」(98名)となった。職場環境や自分自身に関するギャップより、「仕事に関するギャップ」が多いとわかった。
コロナ禍の新入社員がモチベーションを保つために必要なことは?「振り返り習慣」が成長実感を左右

職場の上司・先輩との関係構築に対するリアルな声は?

「職場の上司・先輩と良好な関係性が築けているか」については、「築けている」が41%で、「どちらかというと築けている」が56%と、合計97%となった。

また、「現在受けている育成」の内容は、回答が多かった順に第1位が「確実にスキルや知識を身に着けるよう丁寧に指導されている」の385名で、第2位は「周囲の人が常にサポートし、支援してくれている」の330名、第3位は「段階的に仕事の難易度が上がり、段階的に学んでいる」の316名となった。
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「振り返り」を頻繁に実施している新入社員ほど、高い成長実感を持つ

さらに、同社が「入社後約半年間働いてきた中で、成長を積み重ねてきた実感(成長実感)の有無」を尋ねると、「ある」または「ややある」の合計が全体の88%と、9割に迫った。
コロナ禍の新入社員がモチベーションを保つために必要なことは?「振り返り習慣」が成長実感を左右
さらに、同社は「成長実感」と「振り返りの習慣(1つの仕事が終わった後、その仕事から何を学んだかを振り返っているか)」の関係をまとめている。「成長実感がある」と回答した新入社員の82.2%は、振り返りを「いつもしている」または「ときどきしている」と回答していることがわかった。振り返り習慣を持つことは、成長実感にも関わるようだ。
コロナ禍の新入社員がモチベーションを保つために必要なことは?「振り返り習慣」が成長実感を左右

「自律的な行動」を求められている新入社員ほど、モチベーションや成長期待が低い傾向

さらに、「仕事に対する現在のモチベーション」と「受けている育成」の相関関係を調べたところ、「確実にスキルや知識を身に着けるよう丁寧に指導されている」と感じている新入社員は、モチベーションが「かなり高い」が69%、「高い」が65.9%であることがわかった。

一方で、「自ら学び、情報を取りに行くことが重視されている」という新入社員は、モチベーションが「かなり高い」または「高い」よりも、「どちらかというと高い」~「かなり低い」を選択する割合が多かった。「自律性を高める育成」は、取り入れる時期によっては、社員のモチベーションを下げてしまうリスクがありそうだ。
コロナ禍の新入社員がモチベーションを保つために必要なことは?「振り返り習慣」が成長実感を左右
テレワークの浸透でより自律的な働き方が求められるようになったが、新入社員のモチベーション維持には、「丁寧な指導や振り返り」は欠かせないようだ。新入社員のオンボーディングを効果的に進めるには、どういったサポートが必要なのかを、自社でも改めて確認してみてはいかがだろうか。