株式会社ビズヒッツは2021年11月25日、ビジネスパーソンを対象として実施した、「あったら嬉しい福利厚生に関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2021年10月2日~11日で、現在就労中の男女501名(男性266名・女性235名)から回答を得ている。これにより、自社の福利厚生への満足度や、ビジネスパーソンが本当に望む福利厚生の内容などを探っている。
現在の福利厚生に「満足している」人は5割超に
企業の魅力のひとつとなる福利厚生だが、ビジネスパーソンは勤務先の福利厚生についてどのような意識を持っているのだろうか。調査ではまず、「勤務先の福利厚生に満足しているか」と聞いている。すると、「満足」が7.8%、「まあ満足」が48.9%となり、合わせて56.7%に。「やや不満」(30.9%)および「不満」(12.4%)の合計43.3%を5.6ポイント上回った。
自由回答では、「満足しているものの、家族手当がほしい」、「住宅補助があると嬉しい」などの声が寄せられた。
「家賃補助」や「特別休暇」などの希望が多い結果に。サービス面の充実を重視か
続いて同社が、「あったら嬉しい福利厚生」を複数回答で尋ねたところ、第1位となったのは「家賃補助・住宅手当」(79名)だった。以下は、第2位が「特別休暇」(58名)、第3位が「旅行・レジャーの優待」(47名)などと続いている。調査結果からは、「住宅補助」、「休暇・レジャー」、「職場環境」、「自己啓発」など、多様な福利厚生が望まれていることがうかがえる。また、社員食堂や保養所などの「施設(ハード)面」よりも、各種手当や休暇、割引といった「サービス(ソフト)面」の福利厚生を希望する人が多いようだ。
「希望する福利厚生」には男女間で差も
また、回答を男女別で分けると、その差が浮き彫りとなっている。男性の第1位は「家賃・住宅補助」で、2位の「旅行・レジャーの優待」(26名)と倍近く差を付け41名に。また、男性特有だったのは同率第3位の「特別休暇」と「スポーツクラブの利用補助」で、18名が選択している。一方、女性の第1位は「特別休暇」で、40名が選択。第2位に「家賃・住宅補助」の38名が僅差で並んだ。また、女性特有の回答として、「生理休暇」(16名)が4位となった。
福利厚生を希望する理由には、さまざまな声が
同社は上の設問に対し、それぞれの福利厚生を希望する理由を、自由回答で尋ねている。全体で第1位となった「家賃補助・住宅手当」に関しては、「寮の手当はあるが、アパートの手当がないため」(20代・男性)や、「賃貸だけでなく、持ち家への補助も欲しい」(30代・男性)などという声があがっている。また、第2位の「特別休暇」では、「誕生日や結婚記念日などに使える特別休暇で、リフレッシュしたい」(30代・男性)、「子どもの誕生日やイベント時に休めると、子どもも喜ぶしありがたい」(20代・女性)などの声があった。
さらに、第3位の「旅行・レジャーの優待」では、「仕事に関係のない旅行・レジャーの補助があると、『充実した福利厚生の会社』という印象を受ける」(40代・女性)や、「家族や友人と休暇を楽しめるから」といった回答が聞かれた。この他、「リフレッシュでき、会社への帰属意識が高まる」、「より一層仕事を頑張れる」などという声も寄せられている。
福利厚生の中には、企業が独自に定めているものも多くあるが、費用や効果などの観点から導入が難しいと感じる経営者もいるだろう。しかし、従業員の声を拾い、実情にあった効果的な福利厚生を導入することで、企業の魅力や従業員のエンゲージメント向上につながるのではないだろうか。