2022年1月の「電子帳簿保存法」改正に向けた企業の準備状況とは。ペーパーレス化の課題は「経営陣のITリテラシー不足」か

エン・ジャパン株式会社は2021年11月24日、「電子帳簿保存法改正に関する意識調査」の結果を発表した。本調査は、全国の経営・経理・財務・会計・管理に関する部署に所属するビジネスパーソンを対象としたもので、800名が回答している。調査期間は2021年9月24日~29日。これにより、「電子帳簿保存法」改正の認知度や、企業の対応状況などが明らかになった。

「電子帳簿保存法」改正の認知度は4割に届かず

企業が、国税の重要書類を電子化して保存することが認められる「電子帳簿保存法」の改正が2022年1月に迫っている。この法改正について、企業ではどの程度認知が進んでいるのだろうか。

同社では、まず「『電子帳簿保存法』が改正されることを知っているか」と聞いた。すると、「知っている」が33.6%であったのに対し、「知らない」が66.4%という結果に。法改正まで1ヵ月を切った今でも、6割以上が認知していない状況が明らかとなった。
2022年1月の「電子帳簿保存法」改正に向けた企業の準備状況とは。ペーパーレス化の課題は「経営陣のITリテラシー不足」か

3割以上が、電子帳簿保存法改正に向けた準備が「できていない」と回答

上の設問で「電子帳簿保存法」が改正されることを「知っている」と回答した269名に、「勤務先の『電子帳簿保存法改正』に向けた準備の状況」について尋ねている。その結果、「準備ができている」が29.7%、「どちらかというと準備ができている」が38.3%と、合わせて68%が、自社で法改正に向けて準備を進めていることがわかった。

一方で、「準備ができていない」(9.7%)、「どちらかというと準備ができていない」(22.3%)との回答を合わせると32%となり、3割を超える企業では、法改正は認知しているものの、具体的な行動に移せていない様子だ。
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7割以上が法改正による「ペーパーレス化の促進」に期待か

「『電子帳簿保存法改正』は、勤務先のペーパーレス化に影響すると思うか」との問いに対しては、「影響する」が77.7%(影響する:29%、どちらかというと影響する:48.7%)と、8割に迫る結果に。一方、「影響しない」は18.6%(影響しない:7.1%、どちらかというと影響しない:11.5%)となり、「法改正があっても自社のペーパーレス化の状況には変化がない」と感じている人も一定数いるようだ。
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「経営陣のITリテラシー不足」を危惧する回答が多数

最後に、上の設問で「影響しない」と回答した50名に対し、その理由を尋ねている。その結果、「経営陣のITリテラシー不足」が44%で最多となった。続いて、「紙の方が安心」(28%)、「導入コストの問題」(26%)、「データ化が難しい書類が多い」(24%)などという回答が並ぶ結果に。「経営者のITリテラシー」に不安を感じ、ペーパーレス化が進まないと感じている人が多いようだ。
2022年1月の「電子帳簿保存法」改正に向けた企業の準備状況とは。ペーパーレス化の課題は「経営陣のITリテラシー不足」か
「電子帳簿保存法」の改正にともない、対応可能なシステム導入や業務フローの確認など、企業がやるべきことは想像以上に多い。調査の結果からも、準備が十分に進められていない企業が一定数あり、その要因のひとつとして“経営者のリテラシー不足”が指摘されていることがわかる。目前に迫る法改正に向けて、自社の状況を改めて確認するなど、経営者として必要な準備を徹底しておきたい。