Sansan株式会社は2021年11月10日、「コロナ禍における名刺文化に関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2021年9月3日~4日で、全国の20~60代のビジネスパーソン1,050名から回答を得たとのことだ。この調査結果から、新型コロナウイルスの流行前後での、紙名刺やオンライン名刺に対する意識や利用状況などが明らかとなった。
「名刺の必要性」を感じる人は、コロナ禍で減少するも5割超
新型コロナウイルス感染症拡大にともない、さまざまな場面で非接触型のコミュニケーションが一般的になっているが、「名刺」に関してビジネスパーソンはどのような意識を持っているのだろうか。レポートでは冒頭「ビジネスにおける、名刺の必要性」について、「必要だと思う」との回答が、コロナ禍前の75%に対し、コロナ禍では59.5%と、15.5ポイント減少という結果を紹介。対面での名刺交換の機会が減る中でも、名刺の必要性を感じているビジネスパーソンが過半数であるようだ。
「名刺は必要」でも、「紙であるべきだとは思わない」人が増加
続いて、コロナ禍前もしくはコロナ禍で「名刺を必要」とした回答者に、「名刺は紙であるべきか」を聞いている。その結果、「あまりそう思わない」と「そう思わない」の合計は、コロナ禍前は7.5%にとどまっていたが、コロナ禍においては18.3%となり、倍以上に増えていた。名刺の最大のニーズは「正確な情報の入手・提供」か
また、「名刺を必要だと思う理由」との質問に対して、「当てはまる」または「やや当てはまる」の合計が最も多かったのは、「相手の役職を含む正確な情報の入手」で、86%だった。同じく多かったのが、「相手に対する自分の身分証明・正確な情報提供」(85.5%)だったことから、正確な情報のやり取りに対するニーズが最も高いことが見てとれる。「オンライン」と「紙」の併用が約3割。コロナ禍前に比べて増加
さらに、「現在利用している名刺の形式」を尋ねた結果では、コロナ禍前は、「紙の名刺」が77.8%、「オンライン名刺」が10.7%、「紙とオンライン名刺の併用」が8.1%だった。一方、コロナ禍では、「紙の名刺」が65%、「オンライン名刺」が13.8%、「紙とオンライン名刺の併用」が15.3%となった。「オンライン名刺」および「併用」との回答の合計を見ると、コロナ禍前は18.8%、コロナ禍では29.1%で、コロナ禍前後で10ポイント以上増加している。この結果から、「商談や会議のオンライン化」が、オンライン名刺の普及を後押ししていることがうかがえる。6割以上が、オンライン名刺への「移行」や「併用」を検討
「今後利用したい名刺の形式」について、「紙とオンライン名刺の併用」との回答が42.2%で最も多くなり、以下は、「紙の名刺」が28.3%、「オンライン名刺」が23.4%と続いた。シーンに応じて「紙」と「オンライン」、それぞれの名刺を使い分ける「ハイブリッドスタイル」が、今後増えていくことが予測される結果となった。
コロナ禍をきっかけとして、さまざまな場面でのデジタル化が今後も促進されていくと予測される。すでにオンライン名刺のみ、もしくは紙の名刺とオンライン名刺を併用している人が増えてきていることも、本調査結果からわかった。オンライン名刺を使った名刺交換が珍しくなくなる日も近いのかもしれない。