株式会社フリーウェイジャパンは2021年11月4日、中小企業や零細企業を対象として実施した「コロナ禍の公的助成金・補助金に関する利用実態調査」の結果を発表した。調査期間は2021年10月8日~14日で、中小企業および零細企業の従業員431人と代表取締役287人から回答を得た。本結果では、各種公的補助金・助成金の活用状況や用途などを明らかにしている。
6割以上が新型コロナウイルス関連の助成金・補助金を利用
新型コロナウイルス感染症の流行から1年半以上が経つなか、中小企業や零細企業は公的補助金をどの程度活用しているのだろうか。「新型コロナウイルス感染症関連の助成金・補助金の利用状況」について、「利用した」との回答が63.2%で最も多かった。「利用しない」は27.7%と約3割、「検討中」と「未定」は同率で3.9%、「利用予定」が1.3%という結果だった。利用最多は「持続化給付金」で約7割。自治体による助成金も3割強に
「補助金を利用した」とした回答者に対して、「利用した助成金・補助金の内容」を聞いている。67.7%と断トツだったのは「持続化給付金」。以下、「自治体の給付金・補助金・助成金・融資」が31.8%、「雇用調整助成金」が22.7%、「月次支援金」が15.6%などと続いた。また、最も利用が少なかったのは、事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るために行う出向について支給される「産業雇用安定助成金」で0.6%となった。約6割が「経営・営業資金」に利用。「資金調達」や「設備投資」なども
「受給した助成金・補助金の利用方法」では、「経営・営業資金」が59.7%とここでも断トツに多い結果。2番目以降は、「資金調達」(22.3%)、「設備投資」(18.8%)、「賃料」(15.6%)などとなる。これまでの事業を継続させるための利用が多いのは当然のことだろう。注目は「資金調達」や「設備投資」が上位にあることで、「コロナ禍での新たな需要」を見据えた投資を考える企業もあるようだ。助成金に関する情報の入手経路は「インターネット」が約7割に
最後に、「助成金・補助金に関する情報の入手経路」を聞いている。「インターネット」が68.2%とトップ。以下、「テレビ」が24.8%、「顧問の会計士・税理士の紹介」が19.8%などと続いた。インターネットでのリサーチなどにより、積極的に情報を収集していることがうかがえる。
コロナ禍での各種補助金や助成金の活用は、中小企業や零細企業では6割以上にのぼっていた。先行きが不透明な情勢がしばらく続くと見られるなか、事業の継続といった守りの利用だけでなく、アフターコロナの新たな需要を見据えた投資のような攻めの利用に、公的補助を活用していた。