野村不動産ホールディングス株式会社(以下、野村不動産HD)と東京大学先端科学技術研究センター(以下、東大先端研)は2021年11月10日、野村不動産HD傘下の野村不動産株式会社および野村不動産ビルディング株式会社と東大先端研が、国家戦略特別区域計画の特定事業「芝浦一丁目プロジェクト」において、カーボンニュートラル技術拠点となる「次世代エネルギー交流施設」に関する基本協定書を締結したと発表した。カーボンニュートラル技術の普及促進に向けた「次世代エネルギー交流施設」の整備等に向けて、連携を進めていくという。
「芝浦一丁目プロジェクト」で再生可能エネルギーや蓄電、水素エネルギー等の最先端技術を活用
「芝浦一丁目プロジェクト」(以下、本プロジェクト)とは、野村不動産と野村不動産ビルディング、東日本旅客鉄道が共同で推進する国家戦略特別区域計画の特定事業である。延床面積約55万㎡の、オフィス・ホテル・商業施設・住宅を含む、約10年間に及ぶ大規模複合開発を予定している。本プロジェクトにおいて、野村不動産HDと東大先端研らは、今般の協定に基づいて「次世代エネルギー交流施設」の整備を進めることを決定した。背景には現在、世界各地において気候変動の緩和に向けて環境に対する負荷の少ない生活様式が求められ、その達成に向けた都市機能の刷新が急務となっている点があり、本取り組みもCO2排出削減に向けた先進技術を持つ民間事業者と学術機関の連携を企図するものだ。
今回技術検証と実装が予定されているのは、東大先端研が培ってきた「再生可能エネルギー」や「蓄電」、「水素エネルギー」など次世代エネルギーに関する研究開発実績をもとにしたもの。最先端技術の積極的な導入により、温室効果ガスの排出量削減と再生可能エネルギーの導入等による、気候変動の緩和を目指すという。
また、野村不動産HDは東大先端研が、気候変動・異常気象を読み解き共創社会の実現を推進する研究拠点「地域気象データと先端学術による戦略的社会共創拠点:ClimCORE」に副プロジェクトリーダーとして参画。本プロジェクトをClimCOREの実証の場とすることで、気象データを活かした次世代エネルギー技術の社会実装を目指すという。これにより、安全で安心できる街づくりのモデルケース構築をしていきたい考えだ。
持続可能な社会の実現に向けて、企業の社会的責任が高まっている。研究機関と民間企業が連携し、共通の目標に向けて取り組むことで、新たな価値をもつ街のモデルケースが誕生することに期待したい。