マルコ株式会社は2021年7月21日、「女性活躍に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2021年6月16日~17日で、全国20~59歳の役員・経営者を除く会社員の男女800名から回答を得た。これにより、企業における女性活躍の現状や、女性活躍推進に向けた課題などが明らかとなった。
現在の役職で「課長クラス以上」は男女で差が開く結果に
政府が「指導的地位に占める女性の割合を30%に」との目標を掲げ、女性活躍を推進するなか、企業の女性活躍は進んでいるのだろうか。まず、回答者全員に「現在の役職」を尋ねた。すると、「課長クラス以上」との回答は全体では12.1%に。性別で内訳をみると、「男性」が19.8%、「女性」が4.5%で、15.3ポイント差がついた。
特に50代以上では男性の41%が「課長以上」と回答しているのに対し、女性では9%にとどまるなど、各年代別にみても男女差が大きい。このように、いまだ女性活躍が思うように進んでいない企業が多いことが判明した。
今後のキャリアでは「給与・スキルUP」や「スキルを活かしたい」が上位に
続いて、「キャリアに対する考えについてあてはまるもの」を尋ねた。回答結果のうち、「思う」および「やや思う」を合計すると、「給与を上げたい」が最も多く86.1%に、以下、「スキルを活かしたい」(77.4%)、「社会に貢献したい」(61.4%)と続いた。「今よりも高い役職に就きたい」は男女間で10ポイント以上の差。年代差も顕著に
また、前設問で「思う」が最も少なかった「今よりも高い役職に就きたい」の結果を、性別・年代別に分類した。その結果、男性が46.3%だったのに対し、女性は34.3%となり、12ポイントの差がひらいた。さらに、年代を重ねるごとに「今よりも高い役職に就きたい」と考える人が少なくなる結果となった。特に、20・30代の男性は「高い役職に就きたい」とした人が半数を超えたが、40・50代の女性では3割以下という結果に。性別だけでなく、年代でも大きな差が出る結果となった。
「高い役職に就きたくない理由」は、男女とも「ストレス」と「責任」の割合が高い
さらに、「高い役職に就きたいと思わない」とした478名に「その理由」を尋ねた。すると、「ストレスが多そう」(56.7%)、「責任が重くなる」(45.4%)、「向いていないと思う」(42.3%)と続いた。男女別に回答を見ても同様の傾向となったが、女性の方が各項目の回答率が高い傾向となった。「女性活躍が進んでいる」は5割に届かず。年代や性別による見解の差も
続いて、「勤務先の女性活躍が進んでいると思うか」を尋ねた。すると、「進んでいる」および「やや進んでいる」との回答は、全体で44.9%と半数に満たない結果となった。性別および年代別に見ると、「20代女性」および「50代女性」の回答で、「進んでいる」が唯一5割を超えた。一方「40代女性」では37%にとどまり、男性および他の年代と比べて低い結果となった。女性活躍状況に関する捉え方は、性別や年代によっても異なることがうかがえる。
女性活躍が進んでいないと思う理由は、「女性社員の少なさ」や「女性管理職の少なさ」が目立つ
最後に、「女性活躍が進んでいないと思う」とした回答者に、「その理由」を尋ね、男女別、年代別に集計した。その結果、「管理職の女性が少ないから」や「女性社員が少ないから」の回答が目立つ結果に。また、女性は全般的に「給与格差」を感じていることも判明した。
「女性活躍」に取り組みたいと感じている企業は多いものの、肝心の女性自身が「管理職になりたがらない」という実情もあるようだ。性別にかかわらず、能力のある社員がより活躍できるよう、経営課題のひとつとして「女性活躍」に取り組んでみてはいかがだろうか。