パーソルプロセス&テクノロジー株式会社は2021年7月15日、企業のDX推進における「人材育成」の実態調査の結果を発表した。調査期間は2021年6月22日~24日で、「DX・デジタル推進部門」、「情報システム部門」、「経営企画部門」、「人事部門」のいずれかに所属する18~59歳の一般男女1,061名から回答を得た。これにより、DXの取り組み状況と内容や、社内のDX推進に向けた課題などが明らかとなった。
DX推進には「現場でリードする人材」が必要
コロナ禍や働き方改革などにともないDXの必要性が増すなか、DXを推進する人材の育成はどの程度進んでいるのだろうか。はじめに、「DXの取り組みに必要な社内人材」を尋ねると、全体では「全社DX企画・推進者」(61.7%)が最も多く、以下「現場DXリーダー」(57.8%)、「現場DX企画・推進者」(53.8%)、「全社DXリーダー」(52.8%)と続く結果に。全社的にDXを推進する人材のみならず、各現場において課題発見やDXを推進できる人材が必要とされていることがうかがえる。DX推進では「アイデア企画・構想力」と「課題発見力」が重要視か
続いて、「DXを推進するために必要なスキル」を尋ねた。すると「アイデア企画・構想力」(64.1%)や「課題発見力」および「先進IT技術に関連する知識」(60.1%)などが上位に。前例のない問題に対して課題を見出し、新たな発想やアイデアを使って課題を解決できるスキルが求められているようだ。8割以上のDX推進企業が「DXの知識・スキル習得の学習機会がない」と回答
最後に、「DXに必要なスキルを身につけるための学習機会の設置状況」を尋ねた。回答をDXの推進度別に見てみると、DXを全社的に推進している企業でも、「十分な学習機会を設けられている」は14.8%にとどまり、8割以上が現段階では充分な学習機会が設けられていないことが判明した。また、DXを一部部署等で推進している企業では、「充分な学習機会が設けられていない(十分に設けられている以外の選択肢の合計)」が94.8%を占める結果となり、企業としてDXを推進しているものの、社員に対する学習機会の提供は不充分であることがうかがえる。
DXの推進には、相応の技術力を有するエンジニアだけでなく、現場における課題を発見し、企画として落とし込めるスキルを持つ人材が必要となるようだ。今後も益々進むデジタル化に対応できるよう、エンジニアと並行し、DXを推進する人材の育成に力を入れてみてはいかがだろうか。