東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)と独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は2021年8月5日、現在無償で提供中のシンクライアント型VPNを活用した「シン・テレワークシステム(以下、同システム)」について、ブラウザからの接続を可能とする「HTML5版」を新たに提供すると発表した。同システムは、新型コロナウイルス感染症拡大防止と事業継続支援を目的としたもので、今回OSを問わず利用できるソフトウェアとして、新たに提供を開始したという。
コロナ禍での感染対策と事業継続支援を兼ねて、実証実験中の技術を無償で提供
同システムは、NTT東日本とIPAの両者が、筑波大学 OPEN プロジェクト、KADOKAWA Connected、ソフトイーサ等、通信やソフトウェアのスペシャリストと連携して開発したもの。新型コロナウイルス感染症拡大下において、「出勤を減らしつつもできるだけ普段通りの活動を継続すること」を目的に、研究開発中である技術の実証実験を兼ねて、2020年4月以降に無償提供を開始。2021年7月時点で約17万人が利用している。従来版ではWindowsOSのみに対応していたが、「自宅のMacやChromebook等から利用したい」という要望が多かったことを受け、新たなソフトウェアを開発。自宅側端末のOSを問わず、ブラウザからの接続が可能な「HTML5版」の提供が実現した。これにより、自宅側端末へアプリケーションをインストールしなくても、「いつでも」、「どの端末からでも」職場PCの画面にアクセスすることが可能となる。
あわせて、2021年10月31日までとしていた無償期間を、2022年3月31日まで延長することも決定しており、終了の場合は6ヵ月前までに発表するという。
長引くコロナ禍に合わせて、働き方を柔軟に選択できる環境の構築が求められている。このように、無償で利用できるサービスを実験的に導入してみるのも、ひとつの手かもしれない。