経済産業省、コロナ禍で苦しむ中小企業者の経営改善支援に向けて「信用保証協会による支援の好事例」を発信

経済産業省(以下、経産省)は2021年8月17日、全国51の信用保証協会による「信用保証協会ブロック会議」をふまえ、経営改善支援の取組状況や今後の方針等の報告について、好事例をまとめ発表した。新型コロナウイルス感染症拡大による影響の長期化を受けて、「経営改善支援を実施する重要性が増している」との判断から、今回の事例発信により、経営改善に向けた企業の取り組みを後押ししていきたいという。

コロナ禍における事例を発信し、経営改善支援に結びつける

去る2020年5月以降、約1年間にわたり実施された民間金融機関による「実質無利子・無担保融資(信用保証協会によるセーフティネット保証4号、5号または危機関連保証の利用が前提)」は、融資件数が約137万件にのぼり、金額にして23兆円の保証承諾実績となった。長期間にわたる新型コロナウイルスの影響をふまえると、中小企業者等に対する資金繰り支援は引き続き重要であるとの考えから、政府系金融機関と民間金融機関がそれぞれに融資等を実施している。

ただ、中小企業者の売上高等の早期改善に向けて、このような資金繰り支援に加えて、「経営改善支援」の重要性も増している。しかし、長期視点でのコロナ禍の影響を正確に判断することは難しく、支援機関と相談をしながら、経営改善を進めることを後押しする必要性が高いという。

そこで経産省は、経営改善支援を公的に行う「信用保証協会」において、各経済産業局が主催する「信用保証協会ブロック会議」を同年6月に開催。全国の信用保証協会から、「経営改善支援の取り組み状況」および「今後の方針」等についての報告を受けた。この報告内容から、“コロナ禍で多くの中小企業に対する保証を実施した好事例”をまとめて発信することにより、業況が苦しい中小企業者の経営改善に役立てたい考えだ。なお、冊子は経産省ホームページより確認できる。この他、経営改善を検討する中小企業者に対しては、信用保証協会で個別に相談を受け付けているという。

先行きが不透明な状況のなか、今後を見越して経営改善に向けて取り組みたいと考える企業は多いだろう。今回のような事例紹介や、公的支援などの活用も検討してみてはいかがだろうか。