パーソルネクステージ株式会社(以下、パーソルネクステージ)は2021年8月3日、障がい者がテレワークを利用して働くことが可能な「就労継続支援A型事業所(※)」の2拠点目を、2021年10月1日より鹿児島県鹿児島市で開所すると発表した。これにともない、障がいのある方の応募受付を開始。同事業所での就労経験をもとに、一般企業への就職者輩出を目指していくという。
※ 通常の事業所での雇用が困難で、雇用契約に基づく就労が可能な障がい者に対して、雇用契約を結んだ上で、働く機会と必要な支援を行うもの。
テレワークの活用により、障がい者雇用の地域格差を解消し、一般企業への就労へつなぐ
去る2021年3月に法定雇用率が2.3%に改定されたことにともない、昨年度時点で障がい者の雇用数は過去最高を記録しているが、法定雇用率には届かないのが現状だ。また、障がい者数と求人数のバランスには地域格差があり、首都圏では「障がい者数に対して求人数が上回る」エリアが多い一方で、地方では「障がい者数に対して求人数が少ない」ことが多い。さらに、地方では就業を希望しても「通勤が困難」、「働きたいと思える職種や内容の求人が少ない」といった、「働き方の選択肢が少ない」という課題が大きいという。そこでパーソルネクステージは、2021年1月より、「障がい者を雇用したくてもできない首都圏の企業」と、「働く機会や選択肢が少ない地方在住の障がい者」とをテレワークでつなぐという、新たな「就労継続支援A型」福祉サービスを開始した。同事業所は、首都圏企業より委託された「PC業務を中心とした仕事」を、地方在住の障がい者がテレワークを通じて行うことで、就業経験を積めることを特徴としている。福岡拠点では、現在20名の障がい者が入所し、出勤率95%を維持しつつ、一般企業への就職を目指しているという。
今回、同社は福岡拠点でのノウハウをもとに、鹿児島エリアでの障がい者活躍に貢献するべく、鹿児島県鹿児島市で2拠点目となる事業所を開所することを決定した。鹿児島県は首都圏と比べて障がい者数に対する求人数が少なく、就業していない障がい者の割合も高い。また、“離島が多い”という地理的な条件から、就労しづらい障がい者もいるという。さらに、Web系を含むPC業務の業務経験や、スキルを積める就労継続支援A型事業所の数も少ないことから、「テレワークを活用しつつ働く機会」と「PC業務の業務経験・スキルを獲得できる機会」を創出することで、一般企業への就労につなげたい考えだ。
障がい者を雇用したいと考えていても、さまざまな問題から雇用に結びつかず、課題を感じている企業も多いのではないだろうか。「テレワークの活用」という選択肢によって、地方在住の求職者との接点が生まれるかもしれない。