HENNGE株式会社は2021年7月6日、「企業におけるテレワークとパスワードに関する調査」の結果を発表した。調査期間は2021年6月17日~18日で、従業員数100名以上の企業で情報システム部門に従事する500名から回答を得た。これにより、テレワークにおけるセキュリティ対策の状況などが明らかとなった。
テレワーク導入企業が8割に迫る。SaaS利用企業も4割近くに
はじめに「勤務先でのテレワーク実施状況」を尋ねると、2021年6月時点で「実施している」が77.8%と、2020年3月の27.9%から49.9ポイント増に。これに対し、「実施していない」は19%で、前年の64.9%から45.9ポイント減となった。新型コロナウイルス感染症の流行により、多くの企業でテレワークの導入が進んだ状況が見て取れる。
また、「勤務先でのSaaS利用状況」を尋ねると、2021年6月時点で「利用している」は38.6%と、2020年3月時点の17.2%から21.4ポイント増加。「利用していない」は28.4%と、前年の46.8%から18.4ポイント減少した。新型コロナウイルス感染症対策として導入された、テレワークやweb会議ソリューション等の影響から、この1年あまりでSaaSを導入する企業が急増しており、セキュリティ対策の重要性は増しているようだ。
アクセス方法は半数近くが「VPN方式」を採用。「リモートデスクトップ」や「仮想デスクトップ」も
続いて、「テレワークを実施している」とした回答者に、「テレワークで業務システムにアクセスする環境」を尋ねた。すると、最も多かったのは「VPN方式」で46.3%に。次いで「リモートデスクトップ方式」が23.9%、「仮想デスクトップ方式」が15.9%などとなった。通信を暗号化処理することで、外部からの不正アクセスなどを防止する、VPN方式を採用する企業が多数を占めるようだ。システムでの不満は「アクセスやレスポンスに時間がかかる」など
また、「テレワークで業務システムを利用する際の不満」について尋ねた。その結果、「アクセスの集中、負担によりレスポンスに時間がかかる」が40.6%と最も多く、以下「業務システムにログインするまでに時間がかかる」(23.1%)、「社外から利用できる業務システムが限定されている」(17.2%)などが続いた。5割以上の企業では「他要素認証」を導入
さらに、「テレワークで業務システムにログインする際の、ID・パスワード以外の多要素認証の利用状況」を尋ねると、「利用している」が54.2%で半数以上となった。セキュリティ強化対策として、他要素認証を導入する企業は増加傾向にあるようだ。
多くの企業がテレワークを導入しており、情報セキュリティ対策の重要性は増している。情報漏洩などを防ぐため、より安全なシステムの採用を検討していくことが必要になるだろう。