ライトアーム株式会社は2021年6月24日、「採用におけるリファレンスチェック」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2021年6月16日~17日で、「これまで30人以上の正社員を採用した経験がある」という、35歳以上の経営者115名から回答を得た。これにより、企業におけるリファレンスチェックの活用状況などが明らかになった。
9割以上の経営者が「採用した人材が、入社後に想定パフォーマンスを出せていない」と実感
採用活動において、求職者とのマッチングを図るにはどのような取り組みが必要なのだろうか。はじめに、「採用した人材が、入社後に想定パフォーマンスを出せていないと感じた経験の有無」を尋ねた。すると、「非常にある」が39.1%、「少しある」が45.2%となり、合わせて84.3%が「ある」と回答した。
採用者に何らかの「経歴詐称」があった経験した経営者は8割以上に
続いて、「採用した人材について、本人が申告した経歴と実際の経歴が異なっていた経験の有無」を尋ねた。すると「非常にある」が13.9%、「少しある」が32.2%となった。なお、「全くない」は18.3%にとどまっており、8割以上の経営者が、これまでに多少なりとも“採用者の経歴詐称”を経験している実態が判明した。経歴詐称防止の観点から「リファレンス照会」を実施する企業は少数派か
また、「求職者の経歴詐称を防ぐために、経歴のリファレンス照会を実施しているか」と尋ねると、「実施している」は34.8%だったのに対し、「実施していない」が65.2%となった。多くの経営者が求職者の経歴詐称を経験しているが、経歴詐称防止策として「リファレンスチェック」を実施している企業は少数派であることがわかる。7割以上の経営者が「職務経歴書の情報」を重視。理由は「スキル・適性の確認」や「社風とのマッチング」
最後に、「採用活動において職務経歴書から得られる情報を重視しているか」と尋ねた。すると「非常にする」は27.8%、「少しする」は46.1%で、合わせて73.9%が「重視している」という結果になった。また、「非常にする」、「少しする」との回答者に、「採用活動において職務経歴書が重要だと思う理由」を自由回答で尋ねた。すると、「スキルと適性の確認」、「当社とマッチングするか」、「即戦力と度合いや、仕事の領域を見極めるため」などの回答があがった。
中途採用において、求職者の経歴の「リファレンス照会」を実施している割合は多くない一方、求職者の経歴詐称の経験を持つ経験者は多数いるようだ。また、求職者とのミスマッチを少なくするためには、採用活動において職務経歴書では伝わりづらい経験やスキルをどのように見極めていくか、新たな取り組みも必要になりそうだ。