ソフトバンクが「女性管理職比率」を2035年度までに20%へ。現状の約3倍を目指す

ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)は2021年6月22日、女性活躍推進を目的として、2030年度までに「管理職が占める女性比率(以下、女性管理職比率)」を、2021年度(7.1%)比で約2倍の15%、2035年度までに約3倍となる20%とする目標を設定したと発表した。また、この目標達成に向け、2021年7月1日付で役員および外部の有識者などで構成する「女性活躍推進委員会」を発足させたという。同社は、多様な人材が活躍できる環境を整備していくことで、グループのさらなる事業成長を目指したい考えだ。

女性活躍推進委員会の設置により、女性活躍を目的として活発な議論を喚起

ソフトバンクでは、「能力のある多様な人材の活躍が、更なる事業成長の原動力になる」との認識から、「ダイバーシティ推進」を経営課題の重要施策として位置付けている。女性活躍推進もまた、同社におけるダイバーシティ推進の一環であり、これまでもキャリアに関する「女性社員向けワークショップ」、女性管理職とその候補社員がロールモデルから業務およびキャリアに関するアドバイスを受けられる「メンタープログラム」ほか、さまざまな施策を実施してきた。

さらに、出産後の女性に関しては、家庭と仕事が両立できるよう、法令で定められた期間を上回る「育児休業の取得」や「短時間勤務」を可能としており、育児休業取得後の女性社員の復職率は98%以上に上っているという。

今回同社は、2030年度および2035年度までの女性管理職比率における数値目標の達成を目的として、「女性活躍推進委員会」を設置した。同委員会では、社長を委員長とし、各組織を統括する役員が推進委員を担う。また、多角的な視点から議論を活発化させることを目的に、社外取締役の越 直美氏ほか、外部の有識者らもアドバイザーとして参画するという。

具体的な活動内容としては、女性活躍の推進・強化に向けた方針および、新たな施策に関する議論、各施策の進捗確認などを実施する予定だ。このほか、「全社横断的な取り組み」として推進するために、同委員会の推進委員が指名する各組織の部門長が、部門ごとの取り組みやその進捗、成功事例などを共有する会議の開催も検討しているという。

また、同社では、担う職務と実力・実績に応じて社員の等級を決定する「ミッショングレード制」の導入や、ダイバーシティ推進を目的とした各種社内セミナー等の開催を通じ、性別、年齢、国籍、障がいの有無などに関わらず、能力のある人材が活躍できる環境の構築に取り組んでいる。今後、これらの取り組みをより拡充していくと同時に、女性活躍推進委員会での議論などをふまえ、新たな施策の導入を推進していくという。

少子化にともなう労働人口減少社会を迎えるにあたり、企業においても女性が指導的な立場に立ち、事業を牽引していくことが、ますます必要となっていくだろう。そのためには、現状の課題や施策を全社的に考えていくことが、より重要となるのかもしれない。