株式会社学情は2021年5月7日、「働き方改革」の実施方法について調査を行い、その結果を発表した。調査期間は2021年4月19日~23日で、企業の人事担当者357名より回答を得た。これにより、企業の「働き方改革」への取り組み状況や内容が明らかとなった。
8割以上がすでに何かしらの取り組みを開始
2019年4月より順次施行されている「働き方改革」において、多様な働き方を選択できる社会を目指し、企業でもさまざまな取り組みが始まっている。現在、どの程度取り組みが進んでいるのだろうか。はじめに、「働き方改革の取り組み状況」を尋ねた。すると、「全社的に取り組んでいる」が78.2%と、最も多い結果に。「部署、期間などを限定し、試験的に取り組んでいる」の9.5%と合わせると、87.7%の企業ですでに何らかの取り組みを実施していることが明らかとなった。
「有給休暇取得の奨励」や「労働時間の削減」に取り組む企業が多数
次に、「働き方改革で取り組んでいること」を尋ねた。その結果、「有給休暇取得の奨励」が91.4%と最も多くを占めた。以下、「時間外労働(残業)の削減」が83.1%、「長時間労働の是正」が74.8%と続き、労働時間の削減を中心に「働き方改革」に取り組んでいる企業が多いことがわかる。解決を期待するのは「社員の定着における課題」が最多
最後に、「働き方改革の推進により解決を期待している課題」を尋ねた。すると、「社員の定着における課題」が44.7%と半数近くに迫った。次いで、「経営における課題」が20.1%、「業績拡大における課題」が10.2%と続いた。自由回答からは、「20代社員の定着には、残業の削減など働く環境の改善が不可欠だと感じている」、「『残業=頑張っている』という評価をせず、業務効率化や生産性向上を図りたい」、「決められた時間内で成果を出すという意識を醸成し、業績向上にもつなげたい」などの声があがった。「働き方改革」を通じて、「社員の定着」や「生産性の向上」を図りたいという意向がうかがえる結果となった。
働き方改革により「有給休暇の取得率向上」や「長時間労働の是正」などに向けた法改正が次々に施行され、企業にとって大きな関心事となっている。こうした取り組みを機に従業員のワークライフバランスやメンタルケアを考えることで、より生産性向上や業務効率化の実現につながるかもしれない。