経営者・役員が考える「オフィスの在り方」とは。コロナ禍で考え方に変化はあったのか

株式会社日本商業不動産保証は2021年4月5日、「コロナ禍におけるオフィス移転に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2021年3月1日~4日、都内企業に務める経営者および役員300名より回答を得た。これにより、ビジネスパーソンが感じているオフィスの在り方が明らかとなった。

コロナ禍において、6割以上がテレワークを実施。しかしながら、オフィスの重要性を実感している人も約6割に

新型コロナウイルス感染症拡大を機に、テレワークを導入した企業も多いだろう。働き方の変化は、企業のオフィスワークに影響を与えたのだろうか。

はじめに、「テレワークの導入状況」(2020年11月~調査時期まで)を尋ねた。すると、社員の一部以上がテレワークを実施していると回答した企業は、計66%と判明した。
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また、「コロナ禍において、オフィスの重要性を実感したか」を尋ねた。すると、「あてはまる」が21%、「ややあてはまる」が37%で、計58%がオフィスの重要性を改めて感じていることがわかった。
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オフィスの価値は「業務やコミュニケーションの“場”」

テレワークの導入により、社員間のコミュニケーションが取りにくい、社員の業務状況が把握しづらい、などの弊害が出ている企業もあるという。

そこで、「出勤できるオフィスには、どのような価値があると思うか」を尋ねた。すると、「業務に集中しやすい」が56.3%と最も多い結果に。以下、「気軽にコミュニケーションがとれる」が55.3%、「働くための環境が整っている」が49%と、オフィスには業務やコミュニケーションの「場」として価値があると考える経営層が多いことがうかがえる。
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「オフィスは残した方がよい」が8割に迫る

さらに、「社員が出社できるオフィスを残した方がよいか」を尋ねた。その結果、「あてはまる」が33%、「ややあてはまる」が42%で、計75%が今後もオフィスの存続を希望していることが判明した。
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約6割は、オフィスワークとテレワークの併用に前向き

次に、新型コロナの感染拡大を踏まえ「オフィス出社とテレワークの両方を運用する働き方がよいと思うか」と尋ねた。すると、「あてはまる」が23%、「ややあてはまる」が36%となり、計59%が「ハイブリッド型勤務」に肯定的であることがわかった。
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オフィス環境の見直しは、約2割が実施または検討中。移転には消極的か

最後に、「新型コロナの影響により、オフィス環境を見直したか」を尋ねた。その結果、「新型コロナウイルス拡大以降、すでに実施した」が6.7%、「具体的な検討を進めている」が2.3%、「これから~半年以内に具体的な検討を行う予定」が3%、「半年以降に検討を行う予定」が6%で、計18%の企業でオフィス移転を実施または検討していることが明らかとなった。

一方、移転時の悩みを尋ねると、「費用が高い」との回答が最も多い結果に。内装費や原状回復費、敷金といった諸費用が高額になることから、移転に対して消極的な様子がうかがえる。
経営者・役員が考える「オフィスの在り方」とは。コロナ禍で考え方に変化はあったのか
テレワークが普及し、在宅勤務やワーケーションなど場所を問わない働き方が増えた。これまでとは異なり、企業には「新たな働き方に合わせたオフィスの在り方」が求められそうだ。