株式会社Jストリームは2021年3月23日、コロナ禍における「動画活用施策の企画と運営」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2021年3月2日~9日で、業務で動画活用施策を企画・運営した経験を持つ、全国20~60代の会社経営者・役員・会社員1,770人から回答を得た。なお、そのうち1,586人が「新型コロナウイルス流行下の1年で動画活用施策を導入した」と回答している。これにより、動画活用を導入した経緯や、新型コロナが施策におよぼした影響などが明らかとなった。
動画施策の活用は「研修」や「会社説明」での利用が多い結果に
リモートワークなどの新たな働き方が普及し、対面とは異なるコミュニケーションに課題を抱える企業は多い。そのような中、動画を活用した各種施策は、新たな労働環境下での生産性向上に寄与するのだろうか。はじめに、「この1年で取り入れた動画活用の施策」を尋ねた。この結果を「社内向け」および「社外向け」の施策に分けて取り上げると、社内向けの活用例で最も多かったのは「教育・研修」で43.3%が回答。次いで「業務マニュアル」(32.5%)、「トップメッセージ」(30.5%)となった。一方、社外向けでは「会社説明」が29.5%で最も多く、以下「商品説明・デモ動画・実演販売」(27.8%)、「一般向けセミナー」(19.6%)と続いた。すべての動画施策の中で、「社内向けの研修・教育」向けのコンテンツが最も多く活用されたことが判明した。
約8割が新型コロナの感染拡大を契機に動画施策を導入
続いて、「動画活用の導入は、新型コロナウイルス感染症対策が契機になったと思うか」と尋ねると、「そう思う」が41.6%、「やや思う」が38.3%で両方を合わせて79.9%が「思う」と回答。新型コロナの流行が、動画を活用した施策実行を後押ししている状況がうかがえた。動画施策のメリットは「理解度の向上」や「視聴側の自由度の高さ」など
また、「動画活用の良い点」を尋ねると、「理解度が高まる・伝わりやすい」が47.2%と最も多く、以降は「時間や場所を選ばない」(44.6%)、「静止画よりも雰囲気や人柄が伝わる」(34.3%)が続いた。対面でのコミュニケーションが限られるなか、「視覚情報で受け手に多くを伝達できること」や「都合に合わせて視聴場所や時間・タイミングを選べる自由度の高さ」が動画活用のメリットと認識されたようだ。8割以上が実施施策に対して「社内での好評価」を得ている
「動画活用施策に対する、社内での評価はどうだったか?」と聞くと、「大変よかった」が16%、「よかった」が66.6%で、両方を合わせて82.6%が「好意的な評価を受けた」と回答。「あまりよくなかった」(14.6%)と「よくなかった」(2.8%)を合計した17.4%を大きく引き離す結果だった。動画活用は、社内からも一定の評価受けている状況がうかがえる。「新型コロナ対策として有効」との声は9割にせまる、今後の活用にも期待
さらに、「動画活用施策の導入は新型コロナ対策に有効だったか」と尋ねると、「大変有効」(34.2%)および「やや有効」(54%)をあわせて88.2%が有効だと捉えていた。こちらも「あまり有効でない」(8.7%)と「有効でない」(3%)を合計した11.7%に大差をつける結果で、新型コロナ対策としての動画施策に大きな期待を寄せる企業担当者の様子がうかがえる。
ニューノーマルな働き方を浸透させるため、「密」な環境を回避して行わなければならない施策は多い。制約がある中、情報を効果的に伝達・共有する手法が求められている。調査結果では、「動画」という新たな伝達手法が、社内/社外いずれの環境でもコミュニケーションを円滑にしている様子がうかがえた。企業活動の生産性を向上させうるソリューションとして、今後も注目していきたい。