株式会社デザインワン・ジャパンが運営する「エキテン総研」と株式会社バトンズは2021年2月26日、共同で実施した「事業承継に関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2021年2月1日~5日、店舗の口コミ・ランキングサイト「エキテン」に掲載中の全国の店舗経営者および集客・販促担当者3,452名より回答を得た。これにより、中小企業経営者や集客・販促担当者の事業承継に対する考えや課題が明らかとなった。
約半数が事業承継に興味あり。意欲が高いジャンルは「歯科・矯正歯科」や「レジャー」など
中小企業の経営者や集客・販促担当者は、事業承継についてどのような考えをもっているのだろうか。はじめに、「将来、会社や事業、店舗の事業承継をしたいか」を尋ねた。すると、「はい」が49.2%と、半数近くが事業承継に興味を持っていることが明らかとなった。
また、ジャンル別に見ると、「歯科・矯正歯科」が71.2%と最も多い結果に。以下、「お出かけ・レジャー」が63.9%、「住宅・不動産」が62.1%と続いた。
事業承継を考えたきっかけは、「経営資源の引継ぎ」が最多
次に、「事業承継をしたいと考えるようになったきっかけ」を尋ねた。その結果、「経営資源を引き継いでもらいたい」が697名で、2位と倍近く差をつけた。以下、「体力に限界を感じてきた」(383名)、「顧客の要望」(277名)と続く。この事から、「経営者の高齢化問題」が要因になっていることがうかがえる。また、第5位には「コロナ禍で経営が難しくなってきた」(101名)が入った。事業承継しない理由は「誰かに継いでもらいたいと思っていない」と「後継者不在」が僅差に
今度は、「事業承継をしない」と考えた回答者にその理由を尋ねた。すると、「そもそも誰かに継いでもらいたいと思っていない」が698名で最も多く、僅差で「後継者がいない」の672名となった。さらに、「まだそこまで先のことを考えていないから」(628名)が続いている。抱えている課題は「後継者不在」が最多に
最後に、「会社・事業・店舗の事業承継における課題」を尋ねた。その結果、「適切な後継者がいない」が1,352名で最も多くを占めた。続いて「市場の先行きが不透明である」(1,183名)、「経営状況が厳しい」(856名)となり、さまざまな問題があることが見て取れる。
「経営資源の引継ぎ」や「新型コロナウイルス感染症拡大」の影響により、事業承継を考えている企業は多いといえそうだ。実現に向けての課題はさまざまあるが、適切な後継者を見つけることが大きな前進につながるだろう。