2度目の緊急事態宣言を受け「テレワークのセキュリティ意識」を調査。経営者以上に社員は危機感を感じている

デジタルデータソリューション株式会社は2021年2月8日、「テレワーク環境におけるセキュリティに対する意識調査」の結果を発表した。本調査は、緊急事態宣言が再発令された後の2021年1月22日~24日で行われたもので、都内のテレワーク実施中の企業経営者108名より回答を得た。これにより、経営層がテレワーク下でセキュリティに対して持っている意識とその実態が明らかになった。なお、本調査は同内容で会社員向けにも行っており、一部その結果と比較し、認識の違いを見る。

8割超が「ウイルス対策ソフト導入」でセキュリティ対策を実施

テレワークではよりセキュリティリスクが高まるが、企業では外部からの不正アクセスや情報漏洩を防ぐ対策は十分に進められているだろうか。

はじめに、「自社で現在行っているセキュリティ対策」を尋ねたところ、「ウイルス対策ソフトの導入」が86.1%で最も多くを占めた。以下、「ファイアウォールの設置」と「修正プログラム(パッチ)のインストール」が同率で44.4%と続いている。より高度なセキュリティシステムでの「統合脅威管理(UTM)」や「仮想デスクトップ(VDI)」を導入しているという回答は、いずれも1割程度にとどまった。一方、「自社のセキュリティ対策について把握していない」という経営者もおよそ1割にのぼる。
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テレワーク時のツールは9割が「メール」を利用

次に、「テレワークを実施する際に利用しているサービスや業務環境」を尋ねた。結果は「メール」が90.7%と最も多く、以下「オンライン会議ツール」が67.6%、「クラウド上へのデータの保存・共有」が44.4%と続いた。ほとんどの企業で、メールを用いたやりとりが行われているようだ。
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テレワーク開始で約3割の経営者がセキュリティ対策を強化

続いて、「テレワーク実施に伴い、パソコンのセキュリティ対策強化を実施または検討したか」を尋ねると、「対策を強化した」が32.4%、「対策強化を検討している」が14.8%だった。一方、「対策を強化していない」という経営者も46.3%おり、半数近くが特に追加対策を行っていないことがわかった。
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強化対策は「ウイルス対策ソフト導入」が6割弱と最多

「具体的にどのようなセキュリティ対策の強化を実施または検討しているか」については、「ウイルス対策ソフトの導入」が56.9%と最も多い。以下、「セキュリティガイドラインや社内ポリシーの策定」が51%、「端末やユーザー単位でのアクセス制限」が49%となる。対策をする必要があると感じている企業では、さまざまな方法を取り入れている、もしくは検討中のようだ。
2度目の緊急事態宣言を受け「テレワークのセキュリティ意識」を調査。経営者以上に社員は危機感を感じている

「セキュリティリスクが高まっている」という意識は、社員の方が強く感じている

「テレワーク推進に伴い、自社のセキュリティリスクは高まっていると思うか」と聞くと、「非常に思う」が24%、「少し思う」が29.6%で、経営者の合計53.6%が「高まっている」と回答した。

ここで、同社が実施した会社員向けの調査結果と比較すると、「非常に思う」が29.5%、「少し思う」が35.2%で合計64.7%となり、経営者の回答よりも11.1%高かった。社員のほうがより強くセキュリティリスクを感じており、経営者と意識の差があるようだ。
2度目の緊急事態宣言を受け「テレワークのセキュリティ意識」を調査。経営者以上に社員は危機感を感じている

「自社のセキュリティ対策」について経営者の評価は二極化

最後に、経営者に「現在自社で導入しているセキュリティ対策は万全か」を尋ねると、「非常に思う」は12.9%で1割程度、「少し思う」が40.7%で最多だった。「あまり思わない」は30.6%、「全く思わない」は9.3%となり、約4割の39.9%が自社のセキュリティ対策に不安を抱えていることが明らかとなった。
2度目の緊急事態宣言を受け「テレワークのセキュリティ意識」を調査。経営者以上に社員は危機感を感じている
テレワークにより、自宅やコワーキングスペースなどさまざまな場所で遠隔業務が行えるようになった分、それに応じたセキュリティ面の配慮が必要となる。経営者としてその意識を十分に持ち、マルウェアの感染や情報漏洩などの問題が起きる前に、十分なセキュリティ対策を行いたい。