総合人材サービスのパーソルホールディングス株式会社は2021年1月6日、同ホールディングスのグループ企業であるパーソルキャリア株式会社が、信金中央金庫が構築する「しんきん事業承継コンソーシアム」に参画すると発表した。同コンソーシアムは、信用金庫の取引先における事業承継の円滑な進展を目的に、信金中央金庫と専門的知見を有する複数の外部専門機関が連携し、課題に関して最適な解決策を提案するものだ。このたび外部専門機関に加わったパーソルグループは、パーソルキャリアによる後継者や幹部などの人材紹介サービス提供をはじめ、グループ内の事業やサービスの活用により、提供価値の拡大を目指していくという。
ワンストップソリューションでコロナ禍の事業承継を円滑化
新型コロナウイルス感染症の影響により、信用金庫の取引先において、事業継続への意欲減退が危惧されている。こうした取引先に対して信用金庫が事業承継の支援を行うことは、「顧客基盤の維持」や「地域社会の持続的な繁栄」などのため、これまでになく大きな課題になっているといえるだろう。また、事業承継の課題は個々の企業によって多岐に渡ることから、各信用金庫では解決策としてあらゆるソリューションの提供が必要となってくる。そこで信金中央金庫は、同社が連結役となったコンソーシアム「しんきん事業承継コンソーシアム」を発足した。各信用金庫が取引先から相談を受けた課題や問題解決に向け、信金中央金庫がコーディネートを行い、本コンソーシアムの中から最適な外部専門機関を紹介する仕組みだ。これにより、コロナ禍における信用金庫取引先の事業承継をより円滑に進められるよう、さまざまな外部専門機関の知見をワンストップで提供できる体制を構築していくという。今回参画したパーソルキャリアでは、事業承継における後継者や人材不足に関して、同社の有するエグゼクティブ人材専門採用支援サービスや、経営顧問の紹介サービスを通じて、多様なサービスを提供していく考えだ。
近年、後継者や幹部の不在が大きなテーマとなっている企業も増えてきている。親族や自動昇格からの選出のみならず、外部からの「新たな力」を持った意欲的な人物に、経営を任せてみるのもひとつの手段かもしれない。