アスクル、環境省の資源循環システム構築実証事業に選定。クリアホルダーで新たな資源循環バリューチェーンの構築へ

オフィス用品などを取り扱うアスクル株式会社は2020年12月14日、環境省が実施する「令和2年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」の一環である「プラスチック等のリサイクルプロセス構築・省CO2化実証事業(リサイクル事業)」に、同社の取り組み「使用済みプラスチック製品のリサイクルバリューチェーン構築実証事業」が選出されたと発表した。実証事業の代表事業者はアスクル株式会社が行い、2020年11月~2022年3月を実施期間としている。これにより、「サプライチェーン全体でのCO2削減」に取り組んでいくとしている。

実証事業により、サプライチェーン全体でのCO2削減に向けて取り組む

アスクルでは、2016年に「2030年CO2ゼロチャレンジ」を宣言し、2030年までに全事業所や自社グループの「配送用トラックから排出されるCO2をゼロにする」という目標に向けて取り組んできた。さらに「原材料調達からエンドユーザーの手に商品を届けるまでのサプライチェーン全体のCO2削減」を目指している。この度、一連の取り組みが環境庁に評価され、採択された。

使用済みプラスチック製品のなかでも、オフィス用品は回収スキームがなく、産業廃棄物となっている状況が課題となっていた。そこで、同社は国内の販売量シェアが大きいクリアホルダーのリサイクルに着目。販売事業者としての責任の観点からも、クリアホルダーを対象とした実証事業へ挑戦するに至った。

本実証事業は、オフィスから排出されるクリアホルダーを回収、原材料としてリサイクルし、再製品化するのための仕組みをつくるという。これにより、「再生原料から製品を製造して販売する」という資源循環バリューチェーンの構築を目指すとしている。
アスクル、環境省の資源循環システム構築実証事業に選定。クリアホルダーで新たな資源循環バリューチェーンの構築へ

また、本実証事業のポイントは以下の2つに分けられる。

1.回収スキームの構築
アスクルを利用するオフィスなどに事業所専用の回収箱を設置し、使用済みのクリアホルダーを回収することで、回収方法やコストなどの実証を行う。

2.再生プラスチックを原料とした製品の開発・製造
回収されたクリアホルダーから、再生原料の製造や同原料を用いたリサイクル製品の製造・販売を行う。リサイクル製品は、クリアホルダーの回収に参加する事業者から購入ニーズのヒアリングや調査を行い、回収した製品のリサイクル製品を購入するという資源循環バリューチェーン構築を検討する。

昨今注目される「SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標」では、12番目「つくる責任 つかう責任」と13番目「気候変動に具体的な対策を」で環境課題について取り上げられている。企業においても、身近なところから取り組み始めることで、従業員一人ひとりの意識改善にもつながっていくだろう。