パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社は2020年9月29日、「テレワークに関する意識・実態調査」の結果を発表した。調査期間は2020年9月12~13日で、一般社員210名と部下のいる管理職190名の計400名から回答を得た。これにより、在宅勤務者と管理職が感じているテレワークの現状が明らかとなった。
約8割が「効率的な仕事ができている」と回答
新型コロナウイルス感染症対策によりテレワークが広く普及した今、ビジネスパーソンの働き方はどのように変わったのだろうか。はじめに、「現状、効率的な仕事ができていると感じているか」を尋ねた。すると、テレワークと出社を組み合わせた働き方である「ハイブリッドワーク(出社2~3日)」をしている人は、「とてもあてはまる」が12.3%、「ややあてはまる」が64.6%となり、合計76.9%の人が「効率的に働けている」と回答。「ほぼ在宅勤務(出社0~1日)」(合計76.4%)や「ほぼ出社(出社4~5日)」(合計72.9%)よりもやや上回った。
ハイブリッドな働き方をする人の方が、愛社精神をより強く感じている
次に、「会社に対して愛着や信頼を感じているか」を尋ねた。ハイブリッドワークの人では「とてもあてはまる」が15.4%、「ややあてはまる」が56.9%と、合計72.3%が会社に対して愛着や信頼を寄せていることがわかった。一方で、ほぼ在宅勤務で働く人の回答は、「とてもあてはまる」が21.6%、「ややあてはまる」が29.4%と合計51%にとどまり、3つの勤務スタイルの中で最も低い結果となった。コミュニケーションの満足度が高いワークスタイルは
続いて、社内の同僚や後輩、上司と「円滑なコミュニケ―ションが取れているか」を尋ねると、ハイブリッドワークの人は「とてもあてはまる」が7.7%、「ややあてはまる」が61.5%と、合計69.2%が「取れている」と回答。ここでも、「ほぼ在宅勤務」、「ほぼ出社」のワークスタイルの人よりも高い結果となった。在宅勤務者と管理職で「生産性」の意識にギャップが
最後に、「在宅勤務(テレワーク)をしていなかった時と比べて生産性に変化があったか」を尋ねた。すると、在宅勤務者は「上がった」が12.8%、「どちらかというと上がった」が45.6%と、合計58.4%が生産性の向上を感じていた。管理職には「在宅勤務をする部下の生産性についてどう感じているか」を聞いたところ、「どちらかというと下がった」が44.1%、「下がった」が11.7%と、合計55.8%が下降傾向にあると回答。両者の間に認識のズレがあることが浮き彫りとなった。
また、在宅勤務者と管理者に「生産性が上がった理由」を尋ねると、「集中して作業する時間が取りやすくなった」、「移動時間が減った」という回答が多かった。一方で、「生産性が下がった理由」は、「社内の同僚や後輩、上司とコミュニケーションが取りづらい」という回答が最多で、上司・部下共に、非対面の社内コミュニケーションに課題を感じていた。
テレワークは時間管理の面で満足度に好影響をもたらすが、出社に比べて意思疎通の難しさに課題がある。顔の見える機会を増やすなど工夫しながら、コミュニケーションの質を高めることが、さらなる仕事の効率化や会社への愛着、信頼につながるのかもしれない。