2020年は「働き方改革」から「働き方発明」へ。6つの組織が新しい就活と働き方を提案

ロート製薬株式会社やNPO法人ETIC.などを含む計6組織は2020年1月、and Beyondカンパニーの呼びかけを受け、新しい就職活動・働き方を提案する「働き方発明会議」を発足させた。新しい就活と働き方が浸透し、誰もが自分らしい働き方を創っていけるようになる社会を目指して、さまざまな取り組みをこれから実施していくという。

新しいスタイルの就活、働き方を応援する動きが活発化

2018年10月、経団連は2021年春入社の新卒学生より「採用選考に関する指針」を廃止することを発表。2020年1月には正式な指針が発表され、新卒一括採用や終身雇用、年功序列型賃金など、これまで長く続いてきた「日本型雇用システム」の見直しをおこなうことを決定した。大手自動車メーカートップによる「終身雇用の維持は困難」とする発言や、大手企業を中心とした副業解禁の動きを受け、企業の採用活動および雇用形態が多様化する気運が高まっている。実際に、一部先進企業やNPO団体では新しい就職活動と働き方を開発する動きが進んでいる。中には、それを新たな選択肢として導入している組織もあるようだ。

この動きについて、and Beyondカンパニーは「従来の採用方式では埋もれがちだった人材・才能・個人の志を発掘する機会」または「一人ひとりが意志を持って活躍できる世の中に近づくチャンス」と捉えている。組織同士が相互に連携することにより、一企業ではなく社会全体で「一人ひとりが自分らしい働き方を創っていく」社会へ変革していくことを目標としているようだ。

6組織からなる「働き方発明会議」の目的

社会全体として多様な働き方やキャリア設計を推進していく議論が加速しているものの、具体的な選択肢については、まだ社会に広く認知されていない。一方、一部の大企業やNPO法人では、多様なキャリアを応援する取り組みが徐々に始まっている。

電通若者研究部、ロート製薬株式会社、特定非営利活動法人アスヘノキボウ、一般社団法人アスバシ、NPO法人ETIC.の計6組織からなる「働き方発明会議」では、共通のハッシュタグと声明文を開発。今後は、and Beyondカンパニーの後押しを受け、各組織による独自のイベント開催や組織の枠を超えた多様な取り組みを実施する計画だ。これにより、「一人ひとりが自分らしい働き方を創っていく」動きを広く世の中へ浸透させ、「意志を持って働き方を選択する」社会を目指すという。

働き方に対する社会全体の意識変革は、日本の企業や経済にとって急務だといえる。2020年は、現行の採用活動を唯一の選択肢とせず、新しい選択肢を増やす契機となる重要な年となりそうだ。