子供の体験型キャリア教育事業とエンプロイーエクスペリエンス(従業員の経験価値)関連事業を展開する株式会社バリューズフュージョンは、「女性特有の健康課題に関する意識調査」を実施した。調査対象は20~40代の働く女性。「女性特有の健康課題」に対する男性管理職の無関心・無理解や、企業内での配慮ある制度・仕組み不足が、多くの女性従業員の心理的な負荷につながっていることが明らかになった。
女性特有の健康課題について、男性上司には「言いにくい」女性が約7割
女性は男性と違い「月経」、「妊娠」、「出産」、「更年期」といった「女性特有の健康課題」を抱えている。上司が男性であることで、「女性特有の健康課題で体調が優れないときに言いにくいか」を聞いたところ、「とてもあてはまる」が24%、「ややあてはまる」が41%で合計65%という結果に。働く女性の約3人に2人が、男性上司には女性特有の課題で体調が優れなくても言いにくい実情がわかった。一方で、「言い出しにくい」という悩みは特に抱えていない、と答えた女性は20%にとどまった。たとえ体調が優れなくても言い出せず、心理的な負荷を抱えて働いている女性は多いことが判明した。「我慢して辛い思いをしていること」や「気分が変わる場合があること」への理解が不足
次に、先の調査で「女性特有の健康課題で体調が優れないときに言いにくい」と回答した人を対象に、女性特有の健康課題について、男性上司に理解してもらいたいのはどのようなことかを尋ねた。その結果、「言い出せず、我慢して辛い思いをしていること」、「気分が変わる場合がある」ことを理解してもらいたいとの回答が、いずれも50%を超えた。また、年代別に見ると、年齢が若い女性ほど「言い出せず、我慢して辛い思いをしていること」を理解してほしいと思っている傾向が強いようだ。関心を高め、男性上司以外に相談できる仕組みを希望する女性従業員が多数
最後に、女性特有の健康課題について「会社側に望むこと」を聞いた。すると、「女性特有の健康課題についての関心を高めてほしい」と「体調がすぐれない時に、男性上司に相談する以外の仕組みを設けてほしい」という回答がどちらも約7割という結果が出た(「とてもあてはまる」と「ややあてはまる」の合計)。他に、「女性管理職が増えれば、女性特有の健康課題について相談しやすくなる」(同じく合計57%)、「女性特有の健康課題についてのセミナーや研修会を開催してほしい」(同、55.9%)に、それぞれ約6割の女性が同意した。これらの結果から、会社側に対し、意識の向上や改善策を望んでいる女性が多数であることがわかった。
企業の成長のためには女性従業員の活躍は欠かせない。女性特有の健康課題が、業務や人間関係のトラブルにつながることがないよう、管理職や女性従業員自身が先頭に立って女性の健康に関するリテラシーを向上させる必要がありそうだ。企業それぞれに適した方法で社内のリテラシー向上をはかることで、女性従業員のワークエンゲージメントが高められる。まずは理解を進める取り組みを開始することが肝要だ。