“強い個性”が集うソニーグループ。その情報システム部門として、デジタル変革を牽引するソニーグローバルソリューションズ株式会社。同社では、経営課題や現場社員の声を動機として、社員同士が能動的に繋がり学び合う仕組みづくりに取り組んでいる。HRテクノロジーを通じて、多様な個性をデータ化し、人的ネットワークを生み出す取り組みを通じて、「繋がり資産」を全社的に蓄積・共有する文化の醸成を目指している。今回、この取り組みが、「第7回 HRテクノロジー大賞」で『大賞』を授賞した。その記念講演として、前半はソニーグローバルソリューションズ株式会社 人事総務部・人事1課 統括課長 春原 将俊氏に取り組みの原点となったことや成功に導いたポイントをお話しいただき、後半では山形大学学術研究院 産学連携教授/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授 岩本 隆氏とディスカッションを行った。
人材の多様性やESG投資への関心が高まる中、世界的に注目を集めているのが、「人的資本経営とその開示」である。日本国内でも多くの企業がその重要性を認識し、着実に取り組みが広がりつつある。なかでも第7回HRテクノロジー大賞で「人的資本経営部門優秀賞」を授賞した日本電気株式会社と、「特別賞(人的資本開示賞)」授賞した株式会社リンクアンドモチベーションは、いずれもエンゲージメント向上を最重要テーマに置き、いち早く人的資本経営の実現に取り組んできた。本講演では、2社の取り組み事例を紹介しながら、後半は経済産業省 経済産業政策局 産業人材課長/未来人材室長の島津 裕紀氏とProFuture株式会社 代表取締役社長/HR総研 所長 寺澤康介も交え、人的資本経営の実践についてトークセッションも行った。
人的資本経営の実現が重要視される今日、企業は優秀な人材の確保と育成に、より一層注力しようとしている。だが、人材市場は激戦を極めており、思惑通りに採用活動を進められている企業は少ないと言って良い。さらに、採用を難しくさせているのが新型コロナウイルスの感染拡大によるオンライン面接の加速・定着だ。もともと面接はブラックボックス化しがちな一面があったが、さらに面接官や学生がオンラインでのコミュニケーションに慣れていないこともあって、意思疎通が円滑に進まない場面が多々見られる。こうした中、AIを活用して面接官の面接スキルを定量的・定性的観点で可視化し、面接精度向上のPDCAを回す仕組みを展開しているのが、株式会社大塚商会だ。どのような経緯で取り組みをスタートさせ、どんな実績・成果がもたらされたのか。同社 人材開発部 人事採用課 課長代理 鈴木 雅美氏にお話を伺った。
持続的な企業価値の向上には、イノベーションをリードする人財が欠かせない。人的資本経営の重要性が叫ばれるなか、依然として多くの企業ではそうした人財をいかに確保・育成していくかというロードマップが描けていないのが現状だ。こうした中、変革をリードする人財の確保・育成に向け、まずは従業員の成長を可視化する仕組みが必要であると考えたのが、株式会社電通コーポレートワンだ。同社は、「人財の見える化」プロジェクトの名の下、変革をけん引できる人財の特性や成長要因とは何かを明らかにし、従業員のキャリア自律の意識を高める様々な施策を実施している。どのような切り口で人財を見える化したのか、組織や従業員にどんな成果がもたらされたのか。株式会社電通コーポレートワン 執行役員の清水 真哉氏、人事センター HRマネジメント室 キャリアデザイン戦略部の松澤 美穂氏、小林 洋子氏にお話を伺った。
近年、社内風土の改革を目的に独自の取り組みを始める企業が増えている。背景には、ビジネス環境が大きく変わり、従業員の育成やエンゲージメントの向上、ウェルビーイングが大きくクローズアップされていることがある。一方で、活動が浸透せず、大々的に掲げた目標もお題目に終わっているケースが少なからずあるのが現状だ。経営陣、従業員、プロジェクトとの意欲や意識の乖離が大きいことも課題になっている。そうした中、「MAKE HAPPY PROJECT」と銘打った活動を進め、風土改革で大きな成果を残しているのがパナソニックインダストリー株式会社だ。2021年には888もの企画を実施し、参加は1万6500人に到達。外部講師によるセミナーや経営幹部を巻き込んだコンテンツを通じ、人財の育成やコミュニケーションの活性化、エンゲージメントの向上などに大きく貢献し、自社はもちろん、グループでも一つのムーヴメントとなっている。同社の取り組みはなぜ大きな成功を収めているのか。今回、パナソニック インダストリー株式会社 企画センター 経営企画部 MAKE HAPPY風土活性課 課長 村社 智宏氏にお話を伺った。