ここ1年で、先に人を採用してから仕事を割り振るメンバーシップ型から、仕事に対して人が割り当てられるジョブ型の人事マネジメントへの転換に向けた機運が高まっています。その背景として指摘されているのが、コロナ禍を契機として経営環境が急激に変化し、DXの取組推進や新たなイノベーションを担う高い専門性をもつプロフェッショナル人材の確保が急務なこと、若い世代を中心とした働き手の意識や価値観の変化、そして人件費の抑制等、人事処遇の抜本的な見直しの面から検討が加速しています。本セミナーでは、こうした背景を踏まえながら、各制度の基礎知識や特徴を比較整理し、社員のキャリア形成や人材育成の方向性、人事評価や処遇のあり方を検討していきます。
1.メンバーシップ型からジョブ型へのパラダイムシフト
1)ビジネス環境の変化により高まる導入機運
2)メンバーシップ型とジョブ型の人事制度の違い
3)働き方の意識の変化
4)キャリア形成と人材育成の考え方
5)人事処遇・評価の比較
2.二極化する”人材”と”人財”
1)人的資源管理と人的資本管理
2)年功的な人事制度と成果による人事制度
3)中途半端に終わってしまう事例
3.ゼネラリストの真の価値とはなにか
1)ゼネラリスト型人事による弊害
2)本来ゼネラリストに求められる付加価値
4.スペシャリストの育成と活用
1)ビジネスの高度化にはスペシャリストは必須
2)専門職の処遇
3)社内研修・教育・トレーニングのあり方
5.複線型人事制度(キャリア開発)の見直し
早稲田大学第一文学部心理学専修。事業会社の人事部門、金融系シンクタンク、会計系コンサルティングファーム等を経て現職。主として組織人事制度設計、働き方改革、人事業務プロセス改革などのコンサルティングに従事。コンサルタントとしての関与企業は300社を超える。
著書:『実践 人事マネジメント改革』、『職務基準の人事制度』(共著、労務行政)、『キャリアの取説』(日本経済新聞出版社)、『人事マネジャーの仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、その他多数。