社会、経済の変化が激しい現代、企業人事は、率先して変革を推進する主体であるとともに、事業部門のビジネス・パートナーとして、ビジネスに貢献することが求められています。
また、「ESG経営」が注目される昨今、企業の業績や生産性向上に人事がどのように貢献しているかを見える化し、「人的資本」に関する具体的なエビデンス・データを投資家や経営陣に開示する取り組みが、より一層求められるようになってきました。HRテクノロジーと人事ビッグデータの活用は、いまや世界標準の大きなトレンドになりつつあると言えるでしょう。 「HRテクノロジー大賞」(後援:産業技術総合研究所、情報処理推進機構、中小企業基盤整備機構、株式会社ビジネスパブリッシング、一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム(HRT)、一般社団法人人的資本と企業価値向上研究会、HR総研(ProFuture株式会社))は、日本のHRテクノロジー、人事ビッグデータ(アナリティクス)の優れた取り組みやサービスを表彰することで、この分野の進化発展に寄与することを目的に、今年第9回が開催されました。
第9回の応募総数は81事例で、厳正な審査の結果、その中から20事例が選ばれました。【審査委員】 |
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【授賞式概要】 |
開催名 :「第9回 HRテクノロジー大賞」授賞式 開催日時:2024年10月3日(木) 如水会館(東京都千代田区一ッ橋2-1-1) ※授賞式は、授賞企業関係者のみのご招待制となります。 |
生成AIとデータ分析を活用して若手社員約300人のキャリア状態を可視化し、個人の状況に応じて個別化されたアクションを提案する取組み。人事とAIが協働することで、提案の精度向上と業務効率化を両立。AIが作成した提案を担当者が吟味し、最終的には人間が判断するというプロセスにより、短時間で社員個人への提案作成を実現。若手社員の成長と活躍を支援するとともに、人間性と先進性が共存する新しい人事の在り方を示した優れた取組みであると高く評価されました。
実践コミュニティ創出プラットフォーム「First PenguinLab」を通じて、社員が自ら課題を見つけ解決に取り組む「ラボ」活動を推進。業務時間中の活動が可能で、コロナ禍でもオンラインツールを活用して活動を継続し、多様な働き方の社員が参加できる環境を整備。職場や職位の壁を越え、これまで30件以上の「ラボ」が活動し、100件以上のアイデア創出を実現するなど、イノベーティブな人材育成と組織文化の醸成に寄与する優れた取組みであると高く評価されました。
『リシテア/人財マッチング』は、社内公募やFAなど複数の異動制度を一元管理するクラウドサービス。手続きのワークフロー化により、人事部門の業務負担を大幅に軽減し、効率的な制度運用を実現。匿名応募や役職者承認など、各社独自の制度にも柔軟に対応可能。自社での実績をもとに開発され、若手からシニアまで幅広い層のキャリア自律を支援。人事部門の生産性向上と社内の人財流動性活性化に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
キャリアオーナーシップ支援プラットフォーム「CareerMill」を内製し、ダイレクトリクルーティング型異動制度を実現。社員のプロフィール登録と他部署からのスカウトを可能にし、初回で64名のグループ内異動を達成。多様なキャリア支援機能を一元管理し、使いやすいUI/UXで年間9,500名がアクセス。社員のエンゲージメント向上とグループ内部労働市場の活性化に寄与する優れた取組みであると高く評価されました。
『Beatrust』は、従業員の自律的協業を促進するプラットフォーム。組織横断的な知見共有や課題解決を支援し、人材可視化、社内投稿、交流促進など多彩な機能を提供。20社以上の大手企業に導入され、ナレッジシェアや組織風土改革など多様な目的に活用。従業員の自律性と主体性を育み、企業の生産性向上に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
今回の授賞企業はございませんでした。
『MyTalent』は、日本初の採用MAサービスとして、企業と採用候補者の"つながり"を資産化し、持続可能な採用活動を実現するプラットフォーム。タレントプールの構築からアプローチ、仕組み化まで一気通貫で管理し、候補者の興味スコアを自動計測・可視化する革新的な機能を装備。データクレンジングからクロージングまでをサポートし、人事工数の削減と効率的な採用活動を可能にすることで、企業の人材獲得競争力向上に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
キャリアアップ制度「トップガン」は、エンジニアのスキルを定量的に評価し、高いスキルと意欲をもつ従業員のキャリア自律を後押しする教育プログラムです。2023年からは教材や検定の開発プロセスや採点、および受験者自身の学習支援にAIを活用し、プログラムの精度を大幅に向上。IT未経験者の育成速度は約2倍、エンジニアの給与にも直結するエンジニア単価の向上にも貢献しています。本プログラムはエンジニアの市場価値を正しく評価し、IT人材不足解消と待遇改善に寄与する優れた取組みであると高く評価されました。
『Biz-Ex』は、経営者の立場で6年間の意思決定を疑似体験できる革新的な経営シミュレーションアプリ。実際の経営活動をシミュレートし、意思決定の結果を即時に反映させる点が特徴。200社以上、1,200名以上の実績を持ち、ESG投資や人的資本経営などの最新トレンドにも対応。場所や時間を選ばず短期間で学習でき、適材適所の人材配置を可能にすることで、企業の生産性向上と次世代リーダーの育成に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
今回の授賞企業はございませんでした。
『HealthCore』は、健康診断、ストレスチェック、エンゲージメントサーベイを一元管理する革新的な健康管理システム。業界初の健診標準フォーマット対応で精緻な健康リスク管理を実現し、年間60万人超の実績を持つストレスチェックとエンゲージメントサーベイも搭載。フィジカル、メンタル、ソーシャルの健康領域を網羅し、従業員専用マイページでヘルスリテラシーを向上。企業の健康経営と生産性向上に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
「人事データを活用した男女賃金格差の是正」プロジェクトは、諸条件を揃えた上で残る男女間の「説明できない差」を突き止め、積極的な報酬調整を実施。7%あった格差を2.5%まで縮小し、さらに格差の主要因が採用時のオファー金額の差であることを特定し、採用プロセスの見直しも実施。データ分析に基づく具体的な是正アクションにより、ダイバーシティ&インクルージョンの推進と競争力のある報酬制度の構築に寄与する優れた取組みであると高く評価されました。
『Findy Team+』は、GitHubなどのデータを解析し、エンジニア組織の開発生産性と開発者体験の向上を支援するSaaS。Four Keysやサイクルタイムなどの指標を用いて組織の健康状態を数値化し、パフォーマンス向上に寄与。開発環境の改善が採用力強化にも繋がる好循環を創出。チーム管理の効率化や自己組織化を促進し、プロダクト開発のスピードと質を高めることで、企業のイノベーション創出と国際競争力強化に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
次世代の就業観に対応し、リモートワーク環境下での新入社員育成に取り組むセプテーニグループ内の先進的プロジェクト。社会心理学者との実証研究に基づき、個性データを活用した相性配属、ピアレビュー、キャリアアドバイザーの伴走を通じて、柔軟な働き方と効果的な育成を両立。新卒1~2年目社員の活躍度向上と離職率低下を実現。組織との相性やフィードバック数に着目し、リモート環境での育成効果を検証。人材育成の負担軽減に寄与し、生産性向上を実現する優れた取組みであると高く評価されました。
『mento for Business』のAIサマリー機能は、大規模言語モデルを活用してコーチングセッションを自動要約するサービス。セッションの要点、約束した行動、キーワードなどを効率的にまとめ、管理職の振り返りや次回の準備を支援。コーチングに特化したLLMのカスタマイズにより高精度な要約を実現し、メモ不要で会話に集中できる環境を提供。管理職の行動変容を促進し、パフォーマンス向上を通じて企業全体の生産性向上に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
『NEXT HERO』は、就労困難者特化型のBPOプラットフォーム。障がいや難病のある方のスキルや特性が活かせる持続可能な労働環境を提供。発注企業(民間企業・自治体)からの業務切り出し・トレーニング・納品までを事業所と伴走してきた結果、1,500超の案件と2,000事業所のネットワークを通じて、多くの当事者が活躍できる環境を構築。企業のノンコア業務アウトソーシングを可能にし、生産性向上を実現しています。鎌倉市の受託でデジタル特化事業所を開設し成果を上げるなど、社会課題解決と地域活性化に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
『bizual』は、地理的制約を超えて誰もが参加できるオンライン型のバーチャルインターンシッププログラム。実際の業務を体験させることで、現実の職場環境に近い経験を提供し、企業と学生双方に効率的で革新的なソリューションを提供。従来のインターンシップと比べ、準備時間と関与人員を90%削減するとともに、学生参加人数10倍以上のアプローチが可能となり、企業の人材発掘と学生のキャリア形成に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
『HelloBoss』は、先端AI技術を活用した第3世代AI採用サービス。独自AIのマッチング機能、ChatGPT相当の言語モデル「GPT-4」による募集要項自動作成、540万社の企業データベースを実装し、採用活動を効率化。1年でユーザー数10万人、1000社以上の導入実績を持ち、採用コストの大幅削減を実現。人事業務の自動化により、企業の生産性向上と日本の人材流動性向上に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
『AUTOHUNT』は、Web上の分散した人材・企業情報を統合し、AIを活用して優秀な人材を横断的に検索できるプラットフォーム。400万人以上のプロファイルと500万社以上の企業情報を包含し、潜在的な人材も含めた幅広い候補者へのアプローチが可能。採用MA/CRM機能やChatGPTを活用した自動化により、採用関連業務を約60%削減。企業の効率的な人材獲得と労働市場の活性化に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
スタッフシェアードサービスの全社員2800名のDX人材化に向けた取り組み。トップダウンとボトムアップの両面から推進し、経営幹部から一般社員まで全員がデータリテラシー研修を受講。「虎の穴」プログラムでは32名がAIスキルを習得し、26テーマで合計26,000時間の工数削減施策を創出。生成AI活用の迅速な環境整備やリスキリングスキームの構築など、革新的な取組みを短期間で実施。生産性向上と社員の実感値改善に寄与する優れた取組みであると高く評価されました。
「オフィスバース」は、メタバース空間内に実現した障がい者等の多様な人材のための革新的な働く場。アバターとしてデジタルオフィスに出勤するため、オフィスに通勤することが難しい人や周囲に人がいる環境で集中することが難しい人でも安心して働ける環境を提供。ひきこもりや育児・介護中の方々にも適用可能で、人材不足対策と業務効率向上を同時に実現。多様性の促進と生産性向上に寄与する優れた取組みであると高く評価されました。
『アリルジュ LEARNING』は、がんなどの重篤な病気に罹患した社員の治療と仕事の両立を支援する教育ポータルサイト。病気になる前の事前学習から復職後まで、患者本人だけでなく上司や同僚向けの情報も提供し、職場全体での支援体制構築が可能。AIチャットによる正確な情報提供や、衛生会議・管理職研修での利用も可能。職場の雰囲気改善とプレゼンティズム低下の防止により、企業の生産性向上に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
名称 | 第9回 HRテクノロジー大賞 |
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主催 | 「HRテクノロジー大賞」実行委員会 |
後援 | 産業技術総合研究所、情報処理推進機構(IPA)、中小企業基盤整備機構、株式会社ビジネスパブリッシング、一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム(HRT)、一般社団法人人的資本と企業価値向上研究会、HR総研(ProFuture株式会社) |
審査委員 | 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授
多摩大学大学院 教授(学長補佐)/株式会社ライフシフト CEO 高倉&Company合同会社 共同代表 ProFuture株式会社 代表取締役社長、HR総研 所長 |
応募対象 | 日本国内で企業活動を行っている企業(外資系含む)、団体の「人事部門」、および「サービス提供会社」 |
応募条件 |
採用、人材育成、アセスメント、労務管理、人材マネジメント、タレントマネジメント、 業務効率化・高度化などの領域におけるHRテクノロジー、ビッグデータを活用した取り組みであること。またはそれらの提供サービス。 ※「人事部門」の応募の場合、自社開発ではなく、他社より提供されるサービスを活用した取り組みで構いません。 |
審査方法 | 提出された応募書類をもとに審査評価基準に沿って総合的に審査 |
審査評価基準 |
※サービス提供会社の場合には、ユーザー企業に対して上記審査基準を提供できているかを審査します。 |
賞の種類 |
※第7回から「人的資本経営部門賞」を新設しました!以下の観点に注目し、これらに資する取組みであるかを審査のポイントとします。
※「地方活性賞」により全国の地方活性化を応援しています! |
授賞特典 | 表彰状および盾を贈呈いたします。 また、授賞ロゴマークをデータで提供いたします。 WEB、印刷物等に掲載することで、採用広報や製品アピールにご活用いただけます。 |
授賞式 | 2024年10月3日(木) 如水会館(東京都千代田区一ッ橋2-1-1) ※授賞式は、授賞企業関係者のみのご招待制となります。 |
応募方法 |
【1】まずは事前にエントリーフォームにアクセスし、必要項目を記載の上、エントリーください。 ※添付資料がある場合は、以下の条件をすべて満たしていることをご確認の上、 <添付ファイル条件> ※複数の取組みがある場合、1社で複数の応募も可能です。 |
募集締切 | 2024年5月24日(金)13時 |
発表 | 各賞の授賞者には、7月12日までに授賞の旨を直接連絡。 |
公表 | 『週刊東洋経済』、『月刊人事マネジメント』、『HRプロ』ほか |
お問い合わせ先 | ProFuture株式会社内 「HRテクノロジー大賞」事務局 E-mail:hrtech@hrpro.co.jp |