人的資本経営の時代、日本企業はかつてないほど多くの人事課題の解決、人材開発の変革が求められている。しかし、それらを実現するための人事組織の強化、人事プロフェッショナルの能力、スキル開発に十分な取り組みが行われているだろうか。それは単に人事の専門知識やスキルを学べばいいというものではない。本セッションでは、学習院大学経済学部経営学科教授の守島 基博氏、ロート製薬元CHRO、髙倉&Company合同会社共同代表の髙倉 千春氏、元ニトリ人事責任者、トイトイ合同会社 代表社員の永島 寛之氏が、真の人事課題解決に必要な人事組織と人事プロフェッショナルのケイパビリティの計画的に強化する方法について議論する。
学習院大学 経済学部経営学科 教授/一橋大学名誉教授
守島 基博 氏
米国イリノイ大学産業労使関係研究所博士課程修了。人的資源管理論でPh.D.を取得後、カナダ国サイモン・フレーザー大学経営学部Assistant Professor。慶應義塾大学総合政策学部助教授、同大大学院経営管理研究科助教授・教授、一橋大学大学院商学研究科教授を経て、2017年より現職。厚生労働省労働政策審議会委員、中央労働委員会公益委員などを兼任。2020年より一橋大学名誉教授。著書・共著に『人材マネジメント入門』、『人材の複雑方程式』、『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』、『人材投資のジレンマ』(日本経済新聞出版)、『人事と法の対話』(有斐閣)などがある。
ロート製薬元CHRO、高倉&Company合同会社共同代表
髙倉 千春 氏
1983年農林水産省入省。90年フルブライト奨学生として米ジョージタウン大学へ留学し、92年にMBA取得。14年より味の素理事グローバル人事部長としてグローバル人事制度を構築、展開。20年よりロート製薬取締役、22年同CHROに就任。23年より三井住友海上火災保険・野村不動産ホールディングス社外取締役。企業の将来の経営の方向性を見据えた戦略的な人事に取り組み、多様な次世代人材育成などを推進。
HR総研 上席コンサルタント/中央大学 企業研究所 客員研究員
永島 寛之 氏
メーカーにて海外マーケティングに従事した後、米国駐在を経てニトリホールディングスに入社。人事責任者として似鳥会長直下で組織改革を指揮。その後、再生可能エネルギー開発会社レノバにて執行役員CHROを務めたのち、2024年にトイトイ合同会社を設立。複数企業の顧問として人事マネジメントの支援をする傍ら、中央大学の客員研究員として、分断時代の新しい組織開発に関する研究に勤しんでいる。組織分断時代において、この分断を付加価値に変えるためには、「対話」と「テクノロジー」を用いた組織開発が必要であると考え、さまざまな企業にオーダーメイドで無駄のない組織開発と、人材開発支援を提供している。