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研修講師のこぼれ話43話〜電話かメールか、それとも対面か〜

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2019年05月18日

こんにちは、「受講者との対話を重視する研修講師」の宇田川 摂です!
今回は「新入社員研修でよく質問のあること=電話応対」についてです。

固定電話に出たことが無い新入社員の割合が年々増えております。学生の多くはラインなどが主なコミュニケーションツールであることを考えれば当然とも言えますね。

ちなみに固定電話の加入件数は
2007年:5899万件
2017年:5495万件
と、緩やかに減少しているようです(産業省/情報通信白書より)。

多くの企業で実施する新入社員研修では程度の差こそあれ「電話の取り次ぎ」がプログラムに入っております。そこでよく出てくる質問は、「電話とメールの使い分け」です。

実際の職場ではやたらと電話を掛ける人がいたり、メールでほぼすべての連絡を行いほとんど電話をしない人もおります。この差は社歴や年齢、企業文化にも起因しますので、ルール化がしにくいところです。

簡単なルール化は【締切 × 取引額(重要度)】で、このように考えてみれはいかがでしょうか?

〜電話を使用する(締切ギリギリ)〜
・締切や納期がギリギリの案件(ギリギリの定義は業界毎に異なりますが・・・)
・メールだけで過去にトラブルがあった案件に関する補足(メールを読んでない、など)

〜メールだけで基本OK(締切まで余裕あり)〜
・締切や納期に余裕があり、スケジュール変更が可能なタイミング
・メールのやりとりに慣れていて、まず失敗がない相手
・エビデンスを常に残す場合(電話を併用しても必ずエビデンスを残す必要がある場合)

〜メール、電話に加えて対面でのやり取りもする(重要度)〜
・初めて取引をする場合
・取引金額が高額な案件
・なにが問題が発生すると、人命などの重大な危険が発生する案件

また、ハイコンテクストな文章や会話をしたがる人には対面で話をしたほうが、双方誤解がなくて良いかと思います(グローバル化が加速するにつれ、ローコンテクストで文章を作成したり会話をする力が今後求められます。この話はそのうちに)。

 

会社の固定電話に出ることが新入社員の仕事だと、まことしやかに語る方もおりますが、
1)自分の仕事を止めて電話を取る(ペースが乱れる)
2)内容を聞いて誰かに取り次ぐ(聞き取りにくい場合や、知らない単語がある場合もある)
3)取り次ぎ先が不在の場合メモなどで伝える(メモを書く時間が必要)
などの理由を考えると、生産性向上に逆行する仕事のように感じます。

あと何年か経つと「昭和や平成の時代は固定電話を新入社員がとっていたんだよ」、なんて昔話になるかもしれませんね。

 

 

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