こんにちは。
このシリーズも、いよいよ最終回です。
新入社員の方々も、人事部門の元での研修も終わり、そろそろ配属だという企業様もあれば、これから研修が本格化するという企業様もあることでしょう。
いずれにしても、今までご紹介してきたことなどを参考にしていただいて、貴社なりの新人育成プランを練っていただければと思います。
最近の新入社員から、「自己実現」という言葉がよく出てきます。
仕事を通じて「やりがい」を得たいとか「夢を達成させたい」などの思いから、この言葉を使うようです。
しかし、上司側からは、「何が自己実現だ。成果を上げてから考えろ」という言葉を聞くこともあります。
物質的に恵まれた環境で育ち、団塊ジュニア世代ほど、過酷な競争にさらされてきたわけではありません。
今の新入社員は、「なんとしても勝ち残る」というより、
「この職場で、自分は成長できている」「この職場は、自分にとって有益である」
ということがインセンティブになるということを前提に、「やる気」を高める働きかけが大切です。
そこで、成長を実感させ、新入社員の「やる気」を高めるためのポイントをご紹介いたします。
1.成長の証しを「見える化」する
「最近よく頑張っているな」などの言葉かけも大切ですが、グラフや表やチェックリストなどを使い、「この作業が、これだけ早くできるようになっている」など、具体的な成長の実感を得られるようにします。
2.朝礼やミーティングで褒める
「隠れハングリー」は、周りに認められたいという欲求が強いのが特徴です。
そこで、多くの人が集まっている場で、頑張っている点、成長している点を発表してあげてください。
その場では反応が薄いかもしれませんが、予想以上に「自己実現」の欲求を満たすことになります。
3.仕事の「改善」をさせる
基本が確立したうえで、今の職場で改善が必要だと思うことを改善させるのも面白いでしょう。
自分なりの工夫をすることは、自分の個性や能力の発揮(自己実現)につながります。
4.新入社員に聞く
新入社員に対して、「この企画書を見て感想もらえるかな?」など、意見を聞く機会を増やしてください。
最初は「えっ? 私がですか…?」と戸惑うこともあるでしょうが、意見を求められるということは、頼られている、信頼されていると実感できるはずです。
また、新鮮な発想の新入社員に意見を聞くのは、実際に有益なことも多いはずです。
「お前はまだまだ経験が浅いから…」、「新入社員のくせに…」と言ったり、いつまでもマニュアルどおりの仕事だけをさせ続けたりしていると、「自己実現」のできない職場と判断してしまう時期でもあります。
内定フォロー時に作ってもらった「なりたい自分」「やりたいこと」の実現に近づいているかを、常に確認し、新入社員一人一人の個性が発揮できるよう、職場全体で関わり、見守り、成長をさせましょう。
成長を実感させよう。新入社員の自己実現と、新鮮な発想。それこそが成果につながるのだ。
『行動人』2008年12月号「輝く新入社員の育て方(松井達則著)」第十一回より要約
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