こんにちは。
当シリーズは、主に「新卒」新入社員を対象に、効果的な育て方をまとめています。
ときどき、「中途入社社員にはどうすればいいの?」というご質問を受けることがありますが、基本は同じです。
さらにポイントとして、「今まで所属していた会社」の考え方や当たり前基準が培われているため、自社の考え方や当たり前基準に認識をアップデートする作業が必要になります。
但し、何でもかんでもアップデートさせるのが望ましいかといえば、そうではありません。
これを機会に、自社の考え方や当たり前基準を見直すきっかけにして、より魅力的な、働き甲斐のある職場にしていくことも必要になるでしょう。
今回は、新入社員の悩みの解消についてまとめます。
新入社員は最初は気が張っているものの、だんだんと「このままやっていけるのか」「自分に合っていないのではないか」と考え、悩み、模索するようになります。
「五月病」「入社三カ月の壁」といわれるのも、その現象です。
われわれが「そんなことで」と感じるようなことも、新入社員にとっては大変なことだったりするのです。
その認識をふまえておかないと、下記のような対応で、よりこじらせてしまう場合があります。
1.時代錯誤タイプ … 「オレが新入社員だったころは…」などと、悩みを一蹴する
2.押し付けタイプ … 話をろくに聴かず、理由を決めつけ勝手な解決策を押し付ける
3.迎合タイプ … 新入社員の不満や疑問に「そうだな、オレも変だと思ってた」と迎合する
4.逃げ腰タイプ … 腫れ物に触るように接し、正面から向き合わない
1.熱心に聴いて状況確認
まずは、仕事の手を止め、「何でも話してくれ」という態度で、「うなずき」や「相づち」を交え、「もっと具体的に教えて」、「どうして、そうなったの」など、質問をして状況を正確につかむことが大切です。
悩みを吐き出すだけで、スッキリしてしまうこともあります。
2.話をまとめ、共感
ある程度状況がつかめたら、「話をまとめると、〜ということだね」とポイントを確認します。
また、新入社員の「大変だった」「疑問に思う」などの言葉を反復し、「大変だったんだね」「疑問に思っているんだね」と共感することで、「しっかり聴いてくれた」と安心感を与えます。
3.「どうすれば…」で目を前に向ける
その後、「じゃあ、どうすればうまくいくか考えようよ」と目を前に向けさせて、一緒に考えます。
できるだけいろいろなアイデアを出し合い、「乗り越える方法はありそうだ」と感じさせることです。
新入社員の強みや成長している点を伝え、「一緒に乗り越えよう」と自信と勇気を与えてください。
4.動機づけ
最後に、「じゃあ、まず何からやろうか」と行動に目を向けさせて、悩みを絶つのです。
やることが多くなると、逆に自信を失いかねませんので、第一歩行動は一つに絞ってください。
なお、このような対応をしてもなお、ルールを無視する、やるべきことをやっていない、などの状態が続く場合は、毅然とした態度で注意することが必要です。
新入社員の悩みは、成長へのプロセスである。決して甘やかさず、真摯に向き合おう。
『行動人』2008年6月号「輝く新入社員の育て方(松井達則著)」第五回より要約
「採用ミスとは言わせない! 新入社員一年間の育て方」(東京・竹橋)
第1回(2/9,thu) 新入社員と人事・受入れ側の三位一体で「入社3か月の壁」を突破する(終了)
第2回(3/2,thu) 〔午後〕新入社員に自発性を促すコーチングで「高い壁に挑む」人財をつくる
その他、ジェック主催のセミナー各種開催予定です。是非ご活用ください。