こんにちは。
前回は、経営人材養成がもたらすメリットについてまとめました。今回は、経営人材に必要な二つの柱についてです。
前回の投稿で、「ニーズの多様化とイノベーションのいたちごっこ・・・」ということを書きました。
ドラッカー氏の『現代の経営』に以下の記述があります。
「企業の目的が顧客の創造であることから、企業には二つの基本的な機能が存在する。すなわち、マーケティングとイノベーションである。この二つの機能こそ起業家的機能である。」
1954年が初版ですから、60年以上前から「マーケティング」と「イノベーション」が必要だと提唱していたわけです。
当然日本の経営者の方々は、数十年前からこのことはご存じでしょう。
が、ようやく今の市場環境になって、「本当にそうだ。必要だ」と実感しておられる方もいらっしゃるのではないかと思います。
そう考えると、ドラッカーはすごいですね。
この「マーケティング」と「イノベーション」は、経営人材としても必要な要素です。
つまり「市場創造」と「企業革新」で市場に役立つ状態を創り続けることができる人材が今こそ求められているのです。
では、マーケティングとイノベーションをやれば何でもよいのでしょうか?
それは違います。
まず、自社が一番社会や市場にお役に立てる強みは何か、というコアコンピタンスが出発点です。
例えば、ジェックの場合だと、「3年後に、この新食感スイーツが、世の中を席巻する」というマーケティング調査結果に対し、「他社にさきがけて、新食感スイーツのショップを展開する」というのは、イノベーションにつながります。
しかし、成功するとは思えません。
飲食店経営ノウハウ、出店立地の目利き、材料調達のネットワーク、採用するパティシエの質の良し悪しの判断など、何一つ得意ではないからです。
まして、「行動理論の改革と集団性格の革新で、企業(お客様)の発展を図る」という理念はどこへやら。
理念に共鳴し、理念を仕事の判断軸にしている社員の心はもとより、お客様も離れていくでしょう。
一方、今後、新食感スイーツのショップ展開で、急拡大をしていこうとする企業に対し、理念やサービスマインドの浸透、店長のマネジメント、ホールスタッフのおもてなし向上等なら、間違いなくお役に立てます。
これは、極端な例かもしれませんが、自社の強みや理念を見失い、経営が右往左往するケースはよく見られることです。
また、何を目指してマーケティングやイノベーションを行うのでしょうか。
これは、それぞれの企業、お客様、業界、地域社会、世の中全体の目指す姿の実現です。
決して、目先の利益の追求だけであってはなりません。
全体最適の目で見て、どの方向に向かうことが正しいのかを見極める必要があります。
つまるところ、当記事の第2回目で述べた「長期・大局・根本・高志」の発想がなければ、マーケティングとイノベーションもうまくいかなくなってしまうのです。
次回は、「長期・大局・根本・高志」の発想を高めるための「一つの軸と四つの視点」についてです。
*「経営人材」とは、ひとことでいうと、「経営感覚を兼ね備えた人財」のこと。特に、昨今の世の中の動きを考えると、「10年後の市場と自社の姿を描き、自分の想いを持って組織にイノベーションを起こすことができる人財」のこと
ジェック/マーケティングチーム 小倉
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