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グローバルに通用する自社流を研ぎ澄ます

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2016年07月04日

先日、複数の中国現地法人のHR責任者の方々に、インタビューをさせていただく機会がありました。
中国は今、市場の転換期を迎え、将来見通しの不確実性が指摘されています。日本の書店では、中国の今後を憂う本が溢れてもいます。そんな日本での雰囲気に反して、中国現地は“経済環境のステージは変わったが、中国は様々な可能性のある魅力的な市場である”ということに、ゆるぎない確信を持っていました。
もちろん中国は非常に多様なニーズがあり、物凄い数の競合企業がありますので、中国市場に選ばれ続けることは簡単ではありません。これに対し、お話を伺った企業の対応には2つの共通点がありました。
1つは、自社の強みを再確認し、その強みをさらに研ぎ澄まそうとしている点です。
日本が誇る超一流企業も、日本の外に出れば数ある中の1社です。考えてみれば違う市場で事業をすることは、「起業」と同じようなものです。自社の存在理由や強みを問い直す必要性が出るのは、ごく当たり前のことなのかもしれません。そしてこの時に確認する自社の強みとは、自社がこれまで日本で、あるいは海外進出した他の地域で支持されてきたものの再整理である、とのことでした。
もう1つは、その強みを生み出し、支えてきた自社の行動規範を現地社員に浸透させるための人事施策を行っているという点です。現場の社員一人ひとりの行動が、事業判断やサービスの品質を決定づける、という認識を改めて強く持つことも、海外で事業を行う中での必然なのでしょう。
考えてみれば、この2点は、GEやP&Gなどのグローバルトップ企業が行っている人材育成施策とも共通します。変わる中国市場の中で日本企業が勝ち残るということは、グローバルで日本企業が勝ち残っていけるかどうかと同じ意味を持っているのではないかと、強く感じています。

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