ビジネスの世界で有名な「木こりの話」をご存知でしょうか。
簡単にご紹介しましょう。
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あるところに、木を切る才能が同じ2人の木こりがいました。
その2人が木を切る競争をすることになりました。与えられた時間は1時間。同じ性能のノコギリを渡されました。
「用意、スタート!」という合図で、1人の木こりは全力で木を切る作業に取り掛かりました。しかし、もう1人の木こりは木を切る作業をはじめません。“別の作業”をしてから、20分後に木を切る作業を開始したのです。
与えられた1時間が経過し、どちらの方がたくさんの木を切断できたでしょうか。
スタートの合図と同時に木を切りはじめた木こりは、4本しか木を切ることが出来ませんでした。ところが、最初の20分に別の作業をしていた木こりは、なんと6本の木を切ることができたのです。
それでは最初の20分、この木こりは何をしていたのでしょうか。
実は、彼はノコギリを研いでいたのです。
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この話は、いかに「準備が大事か」「得意技を磨くことが大事か」ということを教えてくれています。
皆さんはいかがでしょうか。
仕事に臨む際、しっかりと準備をしているでしょうか?
自分の得意技を磨く時間を確保しているでしょうか?
人手不足の企業も多く、日常の業務が慌ただしく過ぎている人も多いかと思います。
「営業なんてどれだけ足を動かしたかが重要だ!」という人もいるかも知れません。
しかし、何事にも準備は必要です。
プロ野球選手は、何も準備をせずに試合に臨むわけではありませんよね。シーズンオフから体を作って、シーズンを迎えるわけです。
私たちはプロのビジネスパーソンですから、同様の準備が必要になるのです。
アスリートの世界では、「心・技・体」という言葉が昔から使われています。
心は“精神力”、技は“技術”、体は“体力”ですね。
プロの営業活動も同じだと考えると、まず「前向きな精神力」が必要になります。
飛び込み営業で断れるたびに凹んでいては話になりません。「次に頑張ろう」と考えられる精神力が備わっていないといけません。
そして「体力」です。アスリートのような体力は必要ないまでも、すぐに風邪を引いてしまうような病弱な体では仕事どころではありません。病気になりにくく、常にコンディションを一定に保てるような体力は必要でしょう。
そして「技術」です。営業活動は気合いだけでは通用しません。クライアントへのアプローチ、顧客理解力、提案力、価格交渉力など、様々な技術が必要になるのです。
技術という意味では、誰しも「得意技」があるはずです。
例えば、組織全体を見渡してマネジメントするのが得意な人。
メンバーとの対話でモチベーションを上げるのが得意な人。
クライアントの心に響くような提案書を作るのが得意な人。
経営学者として著名なドラッカーは「強みのうえに築け」と言いました。営業パーソンとしての個々の強みをさらに伸ばすためにも、営業研修は必要ではないかと考えます。
むやみにノコギリを振り回すのではなく、ぜひしっかりと研いでもらいたいものです。
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※この記事は『アルヴァスデザインHP メンバーズ・コラム』に掲載された内容を転載しています。