「技術革新で仕事の5割が消滅する?」
あらゆる仕事のおよそ半分は、20年以内に、コンピューター/機械によって
自動化される可能性がある。
英国オックスフォード大学マーチンスクールが2013年に発表した研究、
“The Future of Employment: How Susceptible Are Jobs to Computerization?”
(雇用の未来: コンピューター化が職に与える影響とは?)
では、そんな将来が示されている。
例えば、物流、営業、事務・秘書業務、サービス業、製造業などは
コンピューターによって代替される可能性が高く、
経営・財務・エンジニア・教育・芸術・ヘルスケア業務は代替される可能性が
低いと示されている。
これは米国での職業を対象にした研究だが、
日本においても決して対岸の火事とは言えないのではないだろうか?
IT化は、グローバル化とも密接に関係しており、2005年に出版されたトーマス・フリードマンによる
「フラット化する世界」でも描かれたように、2000年頃からのグローバリゼーション3.0以降、
ビジネスの内容も、顧客やパートナ―企業との関わり方も、働き方も大きく変化している。
「本当はフラット化していない世界」などの反論も出ているが、
グローバル化の影響は着実に私たちの競争環境を変えていることは否定できない。
例えば、NHK Eテレ(旧教育テレビ)の「スーパープレゼンテーション」で取り上げられているTEDや、
世界中の多くの一流大学も参加しているMOOCS(Massive Open Online Courses:
大規模オンライン公開講座)の代表例であるCoursera(コーセラ)では、
ほとんどのコースがタダで学べる。
ネットにつながっていて、英語が出来て、意欲があれば、誰でも、世界のトップレベルの教育を
タダで学べるという世界が現実にあるのだ。
こうしたプログラムで自分自身をより高く売り込もうと意欲的な新興国の人材と、
彼ら、彼女らよりもはるかに高給を取っているが、毎日の忙しさに忙殺され、
夢もない先進国の人材が競争する時代にある。
経営者の皆さんにとって、言語の問題はないと仮定した場合、どちらを採用したいと考えるだろうか。
加えて、技術革新による仕事の変化がある。
例えば、身近なところで言えば、ファックス(その前にはテレックスなどもあった)→
ポケベル→PHS/携帯→スマートフォンなどの変化により
職場、プライベートのコミュニケーション環境、働き方、マネジメントも大きく変化している。
こうした変化により、皆さんの会社やクライアント企業においても、
10年前にはなかった部門があったり、無くなってしまった部門もあるのではないだろうか?
または、20~30年前であれば、自分たちの事業そのもの、会社そのものも存在していなかった、
という場合もあるだろう。
これからのグローバル化においても、ビジネスの内容、顧客との関わり方、働き方は
さらに変わっていくはずだ。
「世の中で不変のものは何か。それは変化することである」という言葉もある。
こうした変化に対応すべく、経営者として、自分自身をどうプロフェッショナル化していくか、
後継者をどう考えるべきか、事業をどうとらえるべきか。
これらは常に考え続ける価値のあるテーマではないだろうか?