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フィーノ株式会社vol.3 マネジメント:自分の心の中に人事部を

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2014年04月09日

さて、今回はコンサルティングをしているクライアントの事例から。

某大手企業のマネージャークラスで、10数名の部下と、
外部関連会社を4つ束ねている30代後半の男性です。

売上至上主義で、数字で結果が出なければ成績にダイレクトに響く会社。

そのため現場は過酷で、他部署はメンタルヘルスで
中間管理職から離脱していくありさまだそうです。

その中で、人を増やせないのに顧客からは発注が倍増しているという環境の中で
「数字が目の前に転がっているのに回せない!」というところから
人事戦略のご依頼を頂きました。

大手企業にお勤めの方ある程度のクラスになれば、
中小企業と同じくらいの事業規模感で仕事をこなします。

が、そこには相談できる「人事部」がいません。
故にマネジメントや、育成などに具体的なアドバイスをする人がいないのです。

まず、私がクライアントに伺うのは「どういう組織にしたいのか」を
明確にしてもらうところから始めます。

「風通しの良い組織」
「誰もがバイタリティあふれる組織」
「思いやりのある組織」

言葉は抽象的でも、それを実現させるためのしくみ作りが、人事戦略。

よく、飲みニケーションだ、対話が重要だと、いきなり実践してしまう人がいますが、
正直なところ、急なふれあいを求められても現場は
「何が目的なんだ?」とか「裏があるんじゃないか?」とか、
急激な変化についていけません。

今の時代、今日飲んですぐに腹割って話せる信頼関係が築けるほど、
人間関係は成熟していない場合がほとんどでしょう?

だからこそ、戦略が必要。
数字を追うにも、組織内の円滑なコミュニケーション構築にも、
頭を使って最適化を常に測る。これがミソです。
 
そのためにはまず、客観的に自分の置かれている立場や、
人間関係を把握する必要があるんです。
それを「自分の心の中に人事部を持つ」という言葉で説明しています。

【私】がいかに大変か、努力しているかは置いておいて、
【私】はどう見られているか、どういう人財か、どうのびしろがあるか。
  
評価をもらうために他人に迎合するのではなく、
私という人物をどう生かすといいかを別目線で考える必要があるのです。

これは、先にあげたクライアントには最も大切な視点です。
 
ついチームメイキングやしくみ作りに「業務フロー」を優先させがちですが、
メンバーごとのキャパ、のびしろ、キャラクター、強み、弱みを把握した上で、
組む必要があるんです。

必要なければ切らなければならない。これも大切な要素。
反対に、必要であれば、何が何でも活かさなければならない。
 
このあたりにその人の仕事哲学の一部、「人格」が出てきます。

私は人事のプロとして、どうあなたが見られやすいかの判断がつきます。
 
上から見たら、外から見たら、下から見たら、どう見えるかを伝えつつ、
「損するコミュニケーション」は普段使う言葉から変えていただいたり、
「感情を逆なでするコミュニケーション」は、まずはとらえ方を変えてもらったり。

コーチングとはやはり違います。実践ありきで、結果ありきの世界ですから。
 
十数億を動かす本クライアントは、個人契約ではありますが、法人価格での
コンサルティングの依頼を頂いています。

「10年以内に自分でも会社を興すときには絶対に必要な知識だからこそ、
今の場所を使いながら投資するんだ。」とはっきり仰っていました。

はい!しっかりと人事戦略のご支援をさせていただきます。
そして、一緒に「思い描いた組織」の実現に向けて頑張りましょう!

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