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フィーノ株式会社vol.1 人事戦略:採用とは、ただ人を充足すればいいわけではない

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2014年04月09日

こんにちは、鈴木孝枝です。

新卒採用、ならびにキャリア採用の面接依頼ではよく、
「自社の面接をアウトソーシングするの?」と聞かれますが、
「履歴書の見方や、面接の際に相手に何を問い、見るべきかご存知ですか?」とお尋ねすると、
うーん、、、と悩まれる方も多いのが現実です。

複数の経営者とお話しをしていると、いつも思うのは、
「欲しい人財のイメージ」が漠然としていること。

キャリア採用計画のある会社の社長にインタビューをすると、
属性イメージや、職務経験イメージなどはポンポンとお答え頂けるのですが、
少し違った角度で質問すると、本音が見えてきます。

突っ込んで職務経験の要否や、資質についてお伺いすると、
実は非常に主観的なとらえ方をしていることもしばしば。
よくあるのは過去の痛い採用経験に引きずられて、
「本当のところああいうタイプは嫌なんだよね!」という言葉も出てくる程。

事業をしていく中で、本当に気を使うべき項目の1つは人件費。
どんな環境下であろうと、人を雇えばそれだけお金もかかります。
ですから、自ら描いた事業戦略にマッチングさせて組織作りをするのがレバレッジも、
方向転換も柔軟に出来て、結果リスクヘッジができるのです。

採用のご相談を受ける際、私が常にクライアントである経営者に、まずお尋ねするのは、
緊急性と重要性です。

人事部を持たないで独自に採用をされてきた中小企業の場合、
採用計画=○人を採用しよう、と思っている方もいらっしゃるようですが、
本当は「採用戦略」が必要です。

例えば、採用を決める前に、じっくり自分に問いながら採用計画を考えていらっしゃるでしょうか?  
・配属予定の部署の客観的イメージや、裏に隠れていそうな課題は?
・配属先のマネジャーはどんな指導タイプか?  
・採用理由は、即戦力か、それともいい人がいれば補充、か?  
・何ヶ月で育てて現場に出そうと考えているのか?  
・この採用にどのくらい時間を割こうと考えているのか?

テコ入れすべきは「売上拡大」だ!と思う方は、
すぐに営業が欲しい!と職種に直結するようですが、
社内環境やきちんと経営資料を読みとくと内部でコスト削減出来ることが沢山ある場合も。

もちろん、営業強化は必須ですが、
ではアグレッシブでガンガンやれればどんな営業でもありなのでしょうか?・・・違いますよね。

もちろん、会社のリーダークラスや、コミュニティ主催者は、
自分の組織下における人事戦略や効率化、コミュニケーション円滑化も必要な仕事の1つですから、同様の視点が必要です。

戦略ありきで進めていけば、本当に作りたい組織像や、
自分の主観ではなく、客観的な採用基準を作ることができます。

私が「人事戦略コンサルタント」としてご用命頂いているのは、
人事事務(ペイロール・給与計算・福利厚生)を除いた分野を最も得意としているからです。
すなわち、経営視点での人事戦略パートナーとして参謀役にお使い頂いています。
常に現場に合わせて動く経営者にお決まりのパッケージ提供型コンサルティングは既に時代に合いません。

「自分はこうしたい」とリーダーシップがある方のビジョンを実現させるためのあらゆる方法を考える仕事が
人事戦略です。

その戦略の一つ、採用はただ人を雇用すればいい、というものではなく、
事業戦略に合わせ選択と集中を行い、経営資料を読み解き、現場の雰囲気を感じとりながら、
次のステップを構築することが大切なのです。

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