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応募が殺到する求人票を書くために。自社の「SWOT分析」を実施しよう

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2015年07月07日

求人票を書くときは、ついつい自社が伝えたいことを羅列してしまいがちです。しかし、届けたい相手に的確に伝わらなければ、いくら書いてもまったく意味がありません。求人票を書く上で大切なのは、求める人材を明確にして、その人に向けたラブレターをつくること。企業が伝えたいことを羅列するのではなく、求める人材が欲しいと思うであろう情報を見極め、メッセージをつくることが大切なのです。そのための準備として必要なのが、誰に対するメッセージなのかを明確にするための「人材要件定義」と、「自社分析」です。​今回は経営分析で使うフレームワークの「SWOT分析」を使った「自社分析」方法をご紹介します。

SWOT分析とは?

SWOT分析とは、組織を内部要因の「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」と、外部要因の「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの軸から評価する分析手法です。これは、自社を取り巻く環境による影響と、それに対する自社の現状を分析することで、自社のビジネス機会の発見や、戦略の立案・実行に生かせるフレームワークですが、ここでは、応募が殺到する求人票に仕上げるための素材を見つけ出す手法として利用します。

■自社の「強み:S」と「弱み:W」を知る

自社の強みと弱みを知るために、まずは企業の内部環境、すなわちヒト・モノ・カネ・情報を主観ではなく客観的な事実に基づいて洗い出します。その際重要なのは、競合他社との相対評価として分析することです。

■外部環境の「機会:O」と「脅威:T」を知る

外部環境とは、政治動向や規制、経済・景気、社会動向、技術動向、業界環境の変化や顧客ニーズ、競合他社の状況など、自社の努力で変えられない要因を指します。これらの外部環境を洗い出し、「機会:O」と「脅威:T」を導き出します。

この4つの軸を以下のフォーマットで洗い出します。

SWOT分析

架空のインターネット企業がSWOT分析をしたと想定すると、以下のようになります。

 

S(強み)

・元CTOが複数人在籍する100名規模のエンジニアチームである

・会員数10万人の自社サービスを運営

・自社サービスを複数運営

・日本に事例のないマーケティング手法を媒体と共同で実施

・5年連続黒字を達成

・部署をまたいだ積極的なコミュニケーション施策

 

W(弱み)

・競合T社と比較してブランド認知が弱い

・管理職が育っておらず、組織マネジメント力が弱い

・事業の柱がひとつしかなく、次の柱を育てなければならない

 

O(機会)

・PCからスマートデバイスへ移行するインターネットインフラの変化

・海外市場、アジア圏での成長機会

 

T(脅威)

・競合T社の価格攻勢により、相対的に自社商品価値が下がっている

・海外から自社主力商品と同様の商品が入り始めている

・競合S社が自社の従業員をターゲットに採用活動をしている

 

こうして導き出した弱みと脅威を払拭し、強みや機会を強調するために伝えるべき内容を考えることで、求人票に書くメッセージを生み出せます。たとえばこの場合、以下のようなメッセージが考えられるでしょう。

・(S)優秀な100名規模のエンジニアがつくるサービスを(W)ブランド認知させるための事業企画を求めている。

・(S)10万人のユーザーを抱える自社サービスを超える、(W)次の柱となる事業をつくる人材が欲しい。

・(S)5年連続黒字という強固な財務基盤をもとに投資を拡大し、(W)次の柱を構築する人材が欲しい。

 

もちろん、採用ターゲットに応じて伝えるべきメッセージは異なりますが、自社のSWOT分析をしておけば、採用ニーズが発生したときにターゲットが思わず応募したくなるメッセージを求人票に書くことができるのです。

このように、SWOT分析は、現在の経済環境における自社の立ち位置、競合他社との比較における自社の強みや弱み、課題点などを多角的にとらえる上で有効な手法です。自社の理解を深めることで、求める人材に届くメッセージをつくる準備ができるでしょう。また、SWOT分析は、あらゆる企業を題材に練習できるので、自社の関連業界を取り上げ、企業間の違いを検証してみるのも面白いかもしれません。

 

(文:田村朋美/田中瑠子)

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