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マイナンバー制度、ここだけは抑えるべきポイント集

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2015年09月04日

マイナンバー制度は日本が2016年度から導入する個別の制度名で、一般的には「国民総背番号制」と呼ばれます。
すべての国民に個別の管理番号をつけ、それに基づいて社会保障や個人情報の管理など、行政の処理をすべて行うというものです。
マイナンバーが使われるのは主に以下の3つに関連するときです。

・社会保障
・税金
・災害補償

マイナンバー制度(番号制度)導入により、行政では書類の確認作業の手間とコストが削減できます。
社会保障では申請をする人は申請のための書類を準備しないといけませんでした。
マイナンバー制度(番号制度)により申請者は添付書類なしで行政機関に申請ができることになるので申請のときの手間が省けます。
このマイナンバー制度(番号制度)によって社会保障にかかわる行政機関の業務間で、より正確な情報が得られるので、真に手を差し伸べる人へのきめ細やかな支援ができることになります。

 

個人向けのポイント

マイナンバー制度(番号制度)導入前は個人は社会保障の申請をするときに、添付書類などを公共機関に受取に行く必要がありました。
そこで、マイナンバー制度(番号制度)導入で申請のときに楽になることをまとめてみました。

1.定年退職者編

・年金の裁定請求の申請時の簡略化

年金を受け取るときは、支給時期が来れば自動的にもらえるという訳ではありません。受給のための手続きをする必要があります。
その手続きのことを裁定請求といいます。裁定請求に用いられる書類が裁定請求書ということになります。
また、前年度の所得の証明書のことを課税証明書といいます。前年の所得をもとに、毎年6月に決定されます。
マイナンバー制度(番号制度)導入後は、あらかじめマイナンバーを年金事務所に提供することで、定年退職後に年金の裁定請求をするときに、住民票と課税証明書の提出が不要になります。

・国民健康保険に加入するときの手続きの簡略化

国民健康保険の加入手続きでは、健康保険の被保険者資格喪失証明書の添付が必要でした。
しかし、マイナンバー制度(番号制度)導入で、加入手続きのときに番号を提供することで不要になります。

2.子育て編

・毎年6月に行われる児童手当の申請時の簡略化

児童手当の申請をするときに、マイナンバーを会社へ提供することで、年金手帳や国民健康保険証の添付をしなくてもよくなります。

3.結婚編

・国民年金の第3号被保険者の認定、健康保険の被扶養者認定の手続きの簡略化

配偶者のマイナンバーを会社に提出することで、国民年金の第3号被保険者の認定、健康保険の被扶養者認定の手続きの際に、課税証明書の添付が不要になります。

4.高校生編

・高等学校等就学支援金申請手続きの簡略化

高等学校等就学支援金申請手続きをするときに、マイナンバーを学校へ提供することで住民票や保護者等の課税証明書の添付が不要になります。

5.個人番号カードと通知カードの違い

マイナンバー制度(番号制度)では、個人番号カードと通知カードというものがあります。平成28年1月1日以後はどちらかのカードを使うことになります。それぞれについて確認しましょう。

・通知カード

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住民票のある全国民に無料で交付されるカードです。
通知カードと身分証明書とのセットでマイナンバーの提供をしていくことになります。
通知カードを使わずに、個人番号カードを使う場合は、個人番号カードと交換してもらう必要があります。

・個人番号カード

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個人番号カードは住民基本台帳が変化したものです。
住民基本台帳は有効期間が10年で一回の交付金額が1,000円でした。
個人番号カードは初回のみ交付が無料でその有効期間は5年とされています。
2回目以後の交付料金は未定です。

個人番号カードには、主に以下の5点のメリットがあります。

・身分証明書としての利用できる
・国民健康保険証として利用できる
・個人番号を確認する場面での利用(就職、転職、出産育児、病気、年金受給、災害等)
・市町村、都道府県、行政機関等による付加サービスで利用できる
・確定申告のe-taxで利用できる

個人番号カードの有効期限は5年ですから5年目以降の発行代金はかかりますが、
個人番号カードを持っておけば身分証明書や国民健康保険証にもなりますし、
マイナンバーの提示を求められたときも1枚でできるので便利なのでおすすめです。

6.マイポータブル制度にスマホが活躍

マイナンバー制度ではマイポータル制度という制度があります。
マイポータル制度でできることは主に以下の3点です。

・自分の情報をいつ、どことやりとりしたのかが確認できる
・行政機関が番号提供者のどんな情報を持っているのかが確認できる
・行政機関から番号保有者へのお知らせ情報を確認できる。

これらを確認できるシステムのことをマイポータブル制度といいます。
情報の確認手段はマイナンバー保有者のパソコンです。
パソコンで重要情報を確認するには、電子証明書というものが必要になります。
電子証明書は確定申告の電子申告でも利用されています。確定申告の場合は住民基本台帳を使っています。
そのため、2016年1月以後に確定申告をする人で電子申告をする人は通知カードではなく、個人番号カードを持っておいたほうがいいでしょう。
通知カードだけでは電子証明書は発行できないからです。またパソコンに個人番号カードの内容を認識させなければいけません。
電子証明書を発行するには、ICカードリーダという付属機器をパソコンにつないでカード情報をパソコンに認識させる必要があります。
ICカードリーダは家電量販店で1000円位で購入できます。ですが今、ICカードリーダの代わりにスマホが注目されています。
スマホで個人番号カードの内容を読み取るというものです。スマホで個人カード番号を認識しできればICカードリーダは不要になります。
将来は印鑑証明書の手続きにも利用される予定です。

 

法人番号のポイント

法人は法人のマイナンバーが与えられます。
法人は市町村、年金事務所、健康保険組合、税務署、ハローワークが業務を簡素化させるために、従業員や取引先などのマイナンバーを提供しなければいけません。

1.取引先との契約編

法人は13桁のマイナンバーを保有できます。取引先から報酬をもらう場合と、取引先に報酬を支払う場合のそれぞれについてみていきましょう。
法人が取引先や従業員などから提供されたマイナンバーを使って書類を作成し、提出することで行政の事務の簡素化が進められることになります。

・取引先から報酬をもらう場合

法人が取引先から仕事受けて報酬をもらう場合は、取引先に法人のマイナンバーを提供する必要があります。

・取引先に報酬を支払う場合

取引先に報酬を支払う場合は、取引先のマイナンバーを提供してもらい、支払調書に記入して税務署へ提出する必要があります。

2.従業員編

従業員や従業員の扶養家族が提出したマイナンバーによって、従業員が会社に提出するべき各種届出書類の数が減ることで、法人の事務処理の簡素化も進められることになります。
そして法人が作成した源泉徴収票、被保険者資格取得の届出などの社会保険関係手続きを税務署や年金事務所などに提出します。

 

取引先への対応ポイント

法人は13桁のマイナンバーが交付されますが個人事業主は法人ではないので、自分の番号を取引に使わなければいけません。
ここで問題となるのがセキュリティ問題です。取引先が悪質でないと確認するセキュリティーシステムや個人事業主としての自分のマイナンバーのセキュリティーについての整備をどのようにしていくかが課題です。
報酬を支払う側は支払調書を作成します。このとき報酬を受け取る側のマイナンバーは必ず報酬を支払う側に提供されないといけないからです。

 

まとめ

いかがでしたか?マイナンバー制度(番号制度)は2016年1月から導入されます。
マイナンバー制度(番号制度)によって個人や法人が自分の番号を提供することで、行政機関の業務が軽減されるので結果、個人も企業も事務手続きが楽になることがマイナンバー制度(番号制度)の目的です。

※このコラムは、クラウド給与計算ソフトfreee(フリー)が運営するブログ「経営ハッカー」からの転載です。

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