人材採用と切り離せないのが「コスト」の問題です。
採用コストには、転職サイトへの求人広告掲載料や、人材紹介会社への成功報酬料といった「外部コスト」と、面接の時間や労力などといった「内部コスト」があります。今回は、採用の質を高めつつ「内部コスト」を下げる方法についてお伝えします。
内部コストを削減するには、自社に合わない人を面接の早い段階で見極める必要があります。
しかし、面接官によって候補者の評価が全く異なり、どう判断すべきか迷うという経験をしたことはありませんか?
求める人材か否か、社風に合うか合わないかは、誰もが同じ評価を下せるべきで、面接官同士の目線合わせができていないのであれば大問題です。
求める人材ではないのに2次面接まで進んだ候補者がいたとしたら、1次面接を通した面接官、2次面接で不採用と判断した面接官、面接を受けに来てくれた候補者、全員の時間と労力(=コスト)をムダにしてしまったことになります。
以下にご紹介する方法で、面接官の目線を合わせ、こうした内部コストを削減しましょう。
■■■■■1.会社が求めるコアバリューを明確にする■■■■■
基本的なことですが、基礎的なスキルや仕事に対する考え方、将来に対する思いなど、会社として求めるコアバリューをあらためて明確に定め、言語化します。
ただし、言葉の解釈は面接官によって異なるため、以下2、3の工夫をあわせて実施します。
■■■■■2.面接で話した内容や評価ポイントを文書化して残す■■■■■
面接で何を聞いて何を語り、何を見てどう判断したのか、次の面接では何を重点的に確認するべきかなどを文書化し、次の面接官に引き継ぎます。
これを積み重ねていくことで「この人はこういうところを見て面接しているんだ」など、面接官の傾向が分かるようになります。
また面接におけるPDCAを回せるので、面接官自身の技量向上にも役立ちます。
■■■■■3.面接履歴を見ながら面接官と人事担当がディスカッションする■■■■■
面接履歴を見ながら判断基準を話し合うと、面接官の目線が合うようになります。
それでもなかなか目線が合わない場合は、複数の面接官が同席して面接を行い、面接終了後にディスカッションをするという方法もあります。
同じ候補者をどう評価するかについてすり合わせると、お互いの判断基準を理解するスピードが早まります。
———————————————————–
履歴を残したり、履歴を見ながらディスカッションすると、最初は内部コストを引き上げてしまうかもしれません。
しかし、これらを実施すると採用ノウハウが蓄積されるため、結果的に会社全体の採用力は向上し、内部コスト削減につながります。誰が面接しても基本的な判断基準は同じになり、効率的に、ブレない採用ができるようになるでしょう。
最後に、株式会社ビズリーチが目線合わせのために文書化した項目をご紹介します。
■■■■■面接履歴として文書化した項目■■■■■
・誰がいつ面接したか(面接官の名前と面接日時)
・候補者が面接に来てくれた理由(志望動機)
・候補者の仕事上の実績(キャリアと実績)
・候補者は自社の事業についてどう考えているか(事業の理解)
・候補者がやりたいこと(キャリアビジョン)
・候補者の評価できる点・評価できない点
・総合した所感と次の面接で確認してほしいこと
・内定辞退の場合は、その理由
ビズリーチの場合、内定辞退の理由まで明記したことで、候補者の懸念点が解消されたタイミングで再度お声がけができ、採用に至るというケースが生まれています。
通常の選考フローを踏まずとも求める人材を採用できたので、内部コストを最小限に抑えることができました。
外部コストの削減と違って、内部コストの削減は今日から工夫できます。
ぜひ取り入れてみてはいかがでしょう。
==================================================
▼【無料ダウンロード】人材獲得競争の勝ち方~会社の未来に差をつける新時代の採用ノウハウ~▼
==================================================
ビズリーチ代表取締役の南壮一郎が「月刊人事マネジメント」誌に寄稿した「人材獲得競争の勝ち方」という記事をダウンロードしていただけます。
人事戦略は経営戦略である、という考え方のもと、母集団形成、決定率の向上、面接官の目線合わせの方法など、攻めの採用戦略に不可欠な考え方・手法・先進事例をご紹介いたします。
No. 1 人材獲得の手法が変わる
No. 2 採用ツールを上手に使い分ける
No. 3 採用プロセスを数値に分解して管理する
No. 4 母集団の形成を工夫する
No. 5 選考フローを柔軟にして魅力の訴求を最大化する
No. 6 適切な面接官を選任し優秀人材を惹きつける
No. 7 面接官の役割を分担して勧誘を効果的に進める
No. 8 面接官の目線を合わせて工数コストを削減する
No. 9 入社後の活躍までデータ化して検証する
No.10 経営戦略に則った採用活動を