1年の世相を表すといわれる流行語大賞。2014年受賞は『ダメよ～ダメダメ』『集団的自衛権』でしたが、企業人事の世界では、どんな言葉が最も注目されたのでしょうか。
HRプロでは、人事の皆様に2014年の人事流行語大賞をHRリアルタイムアンケートで選んでもらいました。
大賞・第１位：『16新卒採用スケジュール繰り下げ』
140票以上（約33％）も獲得し、見事大賞に輝いたのは『16新卒採用スケジュール繰り下げ』です。2016年新卒採用は「3月1日の広報開始、8月1日の選考開始」（経団連の採用指針）と、2015年に比べて3か月繰り下げるスケジュールになるというもの。人事の皆さんにとっては、このスケジュール変更に自社の採用活動をどのように対応させていったらいいのかが、悩ましいところです。
円安好景気を反映して売り手市場が見えてきた2016年の新卒採用に、人事の関心が最も集まりました。
第2位：『マイナンバー制度』
2016年1月から運用が開始される社会保障と税務番号制度の慣習的な呼び方です。社会保険等の個人情報が番号（マイナンバー）によって一元的に管理できるようになるため、運用が軌道に乗れば人事総務部の作業も簡易化されることが期待できますが、運用前のシステム変更などで運用部署には大きな影響が出るものと想定されます。流行語上位に選ばれるのも納得のキーワードです。
第3位：『ありのママ採用』
出産・育児がひと段落したママたちを戦略的に活用するのが『ありのママ採用』と言われます。育児・家事経験を通じて得たおもてなし力、母親的思いやりあるれるマネジメント力、主婦業務で鍛えたテキパキ力、そして若者ともフランクに接するコミュニケーション力など、ママ達は即戦力として企業で積極的に活用されるようになってきました。『アナと雪の女王』のヒット曲「ありの～ままに～」とも相俟って、人気のキーワードとなりました。
第4位：『ストレスチェック義務化（2015年12月施行）』
従業員50人以上の事業所では、年1回、メンタルヘルスの検査（ストレスチェック）を義務付けるとする労働安全衛生法改正案が6月に成立しました。2015年12月には施行されるため、社内での実施体制の準備をそろそろはじめなければといった人事部門も多いのではないでしょうか。これまでストレスチェックを行ってきた企業でも、法制化されるとなれば法に則った実施やデータの管理、チェック後の対応など、見直ししなければならない項目がたくさんあり、気になるキーワードと言えるでしょう。
第5位：『女性活躍推進』
安倍政権の女性活躍推進戦略によって、社会で活躍する女性の門戸はさらに広げられ、福利厚生などの再度見直しをする企業が多く出てきたのは事実です。ですが、安倍政権の女性閣僚のスキャンダルによって、ニュース上では浮き沈みが激しい話題として取り上げられたこのキーワード。真の意味で女性が社会で安心して胸を張って働ける日が早くやってくるこを祈るばかりです。
第6位：『ホワイトカラー・エグゼンプション』
一部ホワイトカラー層（年収1千万以上等の要件あり）に対して、労働時間に関係なく成果に応じた給与を支払っていこうという給与体系の見直し制度の呼び名です。ただし、現在でも労働時間は完全に無視で（労働基準法の範囲はありますが）成果に対して給与を支払うという給与テーブルで賃金を得ているサラリーマンも沢山いるのも事実です。国会を通じて法的に明文化する意味が本当にあるのか、人事担当者の間では特に話題になることが多かった流行語です。
第7位：『ゆるい就職』
グローバル化で国際的な競争が激化するなか、逆に日本国内では、「週休3日、給料は15万頂ければ十分です。私、ガツガツしないんで」という働き方に注目が集まり、そのようなワーキングスタイルが「ゆるい就職」と呼ばれるようになりました。
価値が多様化し、生き方と働き方に対する考え方も人それぞれ。「ノマドワーカー」という流行語も生まれ、それに続く「ゆるい就職」というトレンド・キーワード。ガツガツ働いてくれる人材が欲しい人事担当者には、あまり流行って欲しくないワーキングスタイルかもしれません。
いろいろあった2014年も、「企業の人事部」という目線から総括すると、制度の新設と女性の躍進に注目が集まった一年であったといえるでしょう。
世相を的確に映しだすと言われる流行語。
年末年始は流行語を振り返ってみて、一年の総括を行ってみてはいかがでしょうか。
■HRリアルタイムアンケート『人事の今年の流行語大賞』
投票期間：2014/12/2～12/16
総回答数：426
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