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IT業界の地殻変動 ~Javaによる重厚長大型開発の終焉~

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2014年10月06日

※このコラムは人事部向けのコラムなので、詳細を丸めて、極力わかりやすく書いています。

米国でJavaの求人数が初めてマイナス成長となり、Indeed 2014年5月の集計によると、求人数は▲30%成長なりました。

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そして、米国のTIOBE人気言語指数でJavaは過去最悪の指数を出しました。

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上記のグラフのように人気言語指数や求人数が年単位で減少し、Javaはいよいよ長期間かけて終息していくと予想しています。

Javaの技術が古くなったというよりも時代が変わったのです。

Javaが普及した時代は、たくさんのエンジニアを集めて大きなシステムを時間をかけて作ることがブームと言うか許されていた時代なのです。

今も市場の大半はJavaで開発されています。しかし、そのシェアは急速に落としていくと思います。PHPやRubyなど少人数で大きなシステムを構築できる開発言語の進化とアジャイルと言う開発手法の普及により、作りながら修正しソフトウェアを成長させていく手法が主流になってきています。この開発手法はJavaは少し不向きのようです。クラウドやWeb系のシステムなど迅速な開発が求められるようになり、重厚長大型Java開発は市場シェアを落としてきています。まさにIT業界の地殻変動、Javaによる重厚長大型開発の終焉を迎えようとしています。

システムインテグレ―ターやソフト開発会社にとってJavaが普及した時代は良い時代でした。Javaで開発するシステムには多くの人数が必要である為、Javaエンジニアさえ育成しておけば、売上が上がる時代だったからです。多くの会社がJavaエンジニアを育成してきました。人材採用の方も経営陣から「とにかくJavaのエンジニアを確保してほしい」と言ったような要望を頂いたこともあるのではないでしょうか。でも今はほとんどないですよね。代わりに聞こえてくるのはPHPやRuby、JavaScriptなどでしょうか。

現在はJava人材が飽和し、Javaの市場が縮小していくため、Javaを中心にしてきた開発会社は方針を転換しなくてはイケなくなります。実際に以下の表にある通りJavaエンジニアの平均年収は2年間で30万円下がってきています。これはJavaエンジニアから上がる売り上げの減少を物語っています。(ワークポート2011年)

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Javaの市場はなくなりません。COBOLの市場が残っているように膨大な保守ビジネスが残ります。ただ、新しいシステムでJavaで開発されていくのは限定された分野になっていくと考えます。

このコラムの読者でJavaの開発をメインにされている会社があれば人材育成の方針を検討された方が良いと思います。今はまだ市場データとして大きく出ていませんが、その予兆は前述の通り明確にでています。そして何よりもIT業界で元気な会社でJavaがメインの会社はほぼなく、PHP、Rubyなどライトランゲージがメインの会社が元気なことに早く気が付くべきです。そして、この地殻変動に備えて、次の時代を担う人材育成を始めるべきです。

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