働き続ける上で、最も大切なこと。・・・それは「健康」です。
誰もが当たり前だと思っているのですが、実際にはかなり身体を酷使しているのが日本社会の現状です。厚労省の平成22年国民生活基礎調査では、こんな結果が。
『悩みやストレスがある者を年齢階級別にみると、男女ともに「40~49歳」が最も高くなっている。「自分の仕事」は30代から50代で男女差が大きく、「収入・家計・借金等」は男「50~59歳」、女「40~49歳」が最も高くなっている。
「育児」、「子どもの教育」は、特に30代、40代で男女差が大きく、「育児」は女「30~39歳」、「子どもの教育」は女「40~49歳」が最も高くなっている。
「自分の病気や介護」は男女とも年齢階級が上がるほど高くなっており、「家族の病気や介護」は男は年齢階級が上がるほど高くなっているが、女は「50~59歳」が最も高くなっている。
「家族との人間関係」は、男はほぼ横ばいだが、女は40代、50代で高めの傾向があり、「家族以外の人間関係」は、男より女が高く、年齢階級が上がるほど低くなっている。』(厚労省HPより抜粋)
上手なバトンタッチが必要な50代。働き盛り、といわれている40代。一生懸命身を粉にして働いている30代。右も左も分からず、しかし先に向かってまっしぐらな20代。
働く環境の中には、様々な世代が混在していますが、どの世代にも働く上で大切なのは健康、これが基本です。
しかし、実際には、「休めない」「休むと不利になる」という見えない圧力によって身体に無理をさせる傾向が多くの働く社会人にみられます。落ち着いて、よくよく考えてみると、長い人生でこの先のキャリアを考える時に、一番ベースになるのは「働ける身体でいること」ではないでしょうか?
やりたい仕事、チャレンジしたいこと、きっとたくさんあると思いますが、心身ともに健康な身体でないと、違う条件が付与されてしまいます。
特に30代~40代は、マネジメント職に就く人も増えて、業務効率化を進めている人もいるかと思いますが、このあたりで、自分の健康についても見直してみてください。
心が疲れていると、溜息が増え、思考はマイナスに入り、背中が丸くなっていきます。身体が疲れていると、体中が重くなり、思考が択一になり、イライラし始めます。
私はプロジェクトを始める時に、「健康的に、プロジェクト成功を目指しましょう」とメンバーに伝えることにしています。過酷なプロジェクトであればあるほど、この「健康的」という一言が軸となり、睡眠不足や、心のストレスを発散するように気を配ります。自分への負荷も、もちろんコントロールすることが出来るようになります。
人間、食べて、寝て、休んで初めてクリエイティビティが発揮されるのですから、
自らの働く環境を整える上では「健康であること」にもう少し重きを置くようにしていく日本社会であってほしいと思います。
余談ですが、先日開催したワークシフトプレイススペシャルイベントでも登壇して頂いたデンマーク人は、余暇をどういう風に過ごすかが重要課題であり、「自分を大切にする」ことを本当に念頭に置いた社会づくりが基盤となっています。だからこそ、世界一幸せな国、で有り続けられるのかもしれません。
そろそろ「スポーツの秋」「読書の秋」といった「○○の秋」のシーズンに突入します。具合が悪くなって支払っている年間医療費分を、是非自分のストレス発散のために使い、心身ともに1年を健康的に過ごしたいものです。