ある会社の社長から、
「新事業が多発し、社員を増やそうとしているが定着せず、
マネージャー層にしわ寄せが発生し、
クライアントにも人間関係のトラブルが多発しはじめて困っている」
というご相談がありました。
事業が順調。いいことですよね。
でも、ヒトの育成は事業成長や、
現場の変化に合わせて常にブラッシュアップが必要です。
人が育たない、定着しないという悩みには、
私は主に次の2つの要因があると見ています。
①リーダー育成のタイミングが遅い、
②研修企画内容と現場ニーズの不一致
私は、人材育成とは、御社が数年後に置いた事業戦略の着地点をにらみ、
同時に立てた人事戦略の線上で各種取り組みを実行することが
成果にリンクすると考えています。
研修やOJTのような「点」だけの取り組みではなく、
風土作りや、新しいコミュニケーション手法を取り入れるなど、
御社独自で開発をしていく必要があります。
そして、最近のリーダー育成は、
個人別に才能を見極めていく必要があります。
現場を引っ張るリーダーには、リーダーシップだけでなく、
調和をつくる能力や、周囲から信頼されるコミュニケーション力も
重視されるべきでしょう。
そして次期リーダー候補には「仕事」をどんどんと与え、
壁越えや成功体験を重ねさせることが必要です。
もちろん前回のコラムでもお伝えした通り、
意識改革とスキルアップも同時に行う必要があります。
「あいつは伸びない」ではなく、
伸びない阻害要因は本人が原因なのか、
それとも現況に何か原因があるのかを早めに見極める必要があります。
そのためにも、一つ確認して頂きたいことが。
御社は本質的な経営課題を
経営・人事で共有把握し人材育成をされていますか?
その内容は、マネジメント層にもきちんと理解されていますか?
実はこの共有不足が阻害要因になることも。
他社の過去の成功事例をまねるだけではなく、
人材育成はきちんと御社独自の人事戦略にのせることが出来れば
コストではなく、投資に変わります。
あせらずじっくり取り組む姿勢と、
スピーディに、かつアグレッシブに導入、実践していく姿勢。
この2つの姿勢こそが早期の成果に結びつくのではないでしょうか。