人事管理再編の2つの方向-高付加価値競争は人材競争

本日のテーマは「日本の人事管理を作り直す」です。日本の人事制度はコンピテンシーや成果主義を取り入れ欧米に近づいてきたとはいえ、日本の事情で独自の仕組みとして形成されてきました。その仕組みはさらに変わって行かざるを得ません。その日本の経験は世界の参考になると思います。
まずいま起こっていることを整理しましょう。市場環境はグローバル化し、競争が激化しています。その結果、市場の不確実性が高まり、経営リスクは拡大しています。そこで求められているのが高付加価値型の経営戦略への転換です。この転換を支えるのが人事管理であり、新しい形への再編が迫られています。
人事管理再編には2つの方向があります。第一の方向は高付加価値型経営が求める「高付加価値型働き方」への対応です。
「高付加価値型働き方」は、言われたことを言われたようにやるという従来の働き方とは異なります。社員は言われたことを言われた通りにせず、会社は社員に「任せるから責任をとりなさい」と言う。これをわたしは「組織内自営業主型」の働き方と呼んでいます。
この働き方に対応するためには、仕事と成果に基づく人事管理である成果主義型にならざるを得ないのです。これは高賃金国の宿命です。
第二の方向は、高付加価値競争は人材競争であるということです。高付加価値を生み出すのは人材だから、人事管理は人材育成・活用力の強化の方向に進みます。

非制約社員(正社員)の減少、制約社員の増加

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