すでに25年卒学生向けインターンシップが本格化している8月、24卒の就活動向は終盤に入りつつある。24卒学生の動きを振り返ることで、インターンシップ参加を経て内定を得る学生がどの程度いるのか、内定承諾した企業とはいつ頃出会ったのかなど、25卒学生の就活動向にも共通しそうな様々な情報が見えてくる。
HR総研と楽天みん就は、2024年卒学生の就職活動の動向調査を実施し、その結果について「就職活動編」と「就職意識編」の2回に分けて報告する。
今回は「就職活動編」として、最も活用した就職サイト、面接を受けた時期、内定承諾の状況など、様々な項目に関する調査結果を以下に報告する。

就職活動中に最もよく利用した就職サイト、今年も「マイナビ」がトップ

まず、就活中の学生が最もよく利用した就活サイトについて、24卒と23卒で比較してみる。
文系・理系ともに「マイナビ」が23卒から引き続き24卒でも1位で、文系では49%、理系では43%と4~5割に上っている。またこれに次いでいるのが「ONE CAREER」で、それぞれ23%、25%と4分の1程度に上っており、これら上位2サイトで全体の7割前後を占めている。残り2割前後のうち、文系では、就職・転職クチコミサイトで社員による会社評価を読める「OpenWork」が23卒(6位、2%)より24卒で順位が上がり4位で5%となっている。この他、クチコミサイトは「就活会議」や「楽天みん就」などもランクインしており、学生が企業HPからだけでなくリアルなクチコミ情報にもアンテナを張っていることがうかがえる。さらに理系の特徴としては、理系特化型就職サイト「LabBase」が24卒で5位(5%)にランクインしており、理系学生のニーズに合った情報で注目されているようだ(図表1-1,1-2)。

【図表1-1】就職活動中に最もよく利用した就職サイト(文系)

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査(6月) 結果報告【就職活動編】

【図表1-2】就職活動中に最もよく利用した就職サイト(理系)

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査(6月) 結果報告【就職活動編】

個別セミナーへの参加率、オンライン形式で3月が最多

就職情報会社等が主催する合同企業セミナーに参加した時期については、文系では「2022年6月」(32%)と「2023年3月」(37%)にピークがあり、3~4割近くが参加している。理系では「2022年6月」がピークで34%が参加し、年明けは「2023年1月」(24%)以降、急激に参加率が低下している(図表2-1)。

【図表2-1】就職情報会社等が主催する合同企業セミナーに参加した時期

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査(6月) 結果報告【就職活動編】

企業が個別に実施するセミナーや企業説明会に参加した時期を見ると、オンライン形式での参加率が対面より顕著に高く、オンラインでの参加率は「2022年6月」から2~3割程度の参加率で、その後参加率が上昇し続けて「2023年3月」がピークとなり、文系65%、理系59%と6割前後に上っている。一方、対面形式では「この方法で参加したことはない」が圧倒的に多く半数前後にも上っている。企業説明会はオンラインでの参加が主流であることがうかがえる(図表2-2)。

【図表2-2】企業が個別に実施するセミナーや企業説明会に参加した時期

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査(6月) 結果報告【就職活動編】

ES作成にChatGPTを利用した学生は2割、「即時でバイアスのない添削」「わかりやすい文章提案」などのメリット

採用選考でのエントリーシート(ES)の作成に生成AI「ChatGPT」を活用する学生が増加しているという話題も上がる中、実際に24卒学生が利用したかを聞いてみた。その結果、2023年6月時点では「まったく利用しなかった」が圧倒的に多く文系で85%、理系で79%と8割程度以上に上っている。ES作成にChatGPT利用した少数派の学生の中でも「すべての企業に利用した」は僅か1%で、現状では利用先を絞っていることが分かる(図表3-1)。

【図表3-1】エントリーシートの作成時の「ChatGPT」の利用状況

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査(6月) 結果報告【就職活動編】

少数派である「ES作成にChatGPT利用した学生」が利用した理由について、フリーコメントで回答してもらった中で、主なコメントを抜粋して以下に紹介する(図表3-2)。

【図表3-2】エントリーシート作成にChatGPTを利用した理由(一部抜粋)

エントリーシート作成にChatGPTを利用した理由文理区分大学区分
自分が書いた文章に説得性の弱いところがないか確認したかった文系早慶大クラス
書いている内容をそのまま打ち込んで、要約してもらい、私が伝えたかった内容が伝わっているかの確認として利用していた文系早慶大クラス
分かりやすい言葉に添削してもらった文系上位私立大
文章の組み立て方や、新たなアイデアを得るため文系上位私立大
どうしても指示された文字数以内で文章を書けなかったため、文字数を削る際の参考になればと思って使用した文系上位私立大
友人も就活が立て込んでいて添削がお願いできない時に、送れば即座に添削してくれる機能が有難くて利用していました文系上位私立大
ChatGPTがどのような文章を作るのか興味があったから文系中堅私立大
志望理由が浮かばない企業があったから理系旧帝大クラス
文の体裁などが客観的に見て正しいかどうか確認してもらいたくて利用した理系その他国公立大
大学等のキャリア関係の人間より、ChatGPTに文章を添削させる方が、主観に左右されないと考えたため理系その他国公立大

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査(6月)        
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2023年6月1~12日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:2024年卒業予定の「楽天みん就」会員学生
有効回答:607件

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